2009年度の数学系月例談話会
戻る
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
2005年度
2004年度
2010年2月4日(木) 15:00ー16:30(時間にご注意下さい)
会場:自然系学系棟D棟, 8階 D814
二木 昭人 氏 (東京工業大学大学院理工学研究科)
「乗数イデアル層と積分不変量」
アブストラクト:
ケーラー・アインシュタイン計量を持たない Fano 多様体には乗数イデアル層が存在することが知られている.本講演ではこの乗数イデアル層と,ケーラー・アインシュタイン計量が存在するための障害(二木不変量)との関係について論ずる.
さらにこの結果のケーラー・リッチ・ソリトンへの拡張,
ケーラー・リッチ流から生ずる乗数イデアル層についても考察する.
2009年11月26日(木) 15:30−17:00(時間にご注意下さい)
会場:自然系学系棟D棟, 8階 D814
田中 哲朗 氏 (東京大学情報基盤センター)
「コンピュータ将棋の現状と課題」
アブストラクト:
1997年に,IBMのコンピュータチェス専用機Deep Blueが当時の世界チャンピオンの
ガルリ・カスパロフを破り世界中でニュースになった.
それから10年経って,コンピュータ将棋もようやく名人が射程に入ってくる段階になり,
ゲーム情報学研究でも最もホット分野になっている.
今回は,ゲームプログラミングで使われているゲーム木探索の基礎と,
コンピュータ将棋を飛躍的に強くするのに役立った
機械学習に基づく評価関数の自動調整に関して解説すると共に,
2009年5月に行われた第19回世界コンピュータ選手権で優勝したGPS将棋の中身も紹介する.
2009年10月22日(木) 15:30−16:30(時間にご注意下さい)
会場:自然系学系棟D棟, 8階 D814
冨江 雅也 氏 (筑波大学大学院数理物質科学研究科)
「noncrossing partitionとその周辺」
アブストラクト:
noncrossing partitionとは自然数nの分割で時計回り等間隔に1からnまでを配置した
円周を用意してその上に実現したとき非交差であるような分割のことである.
初等的な定義とは裏腹に(それゆえに?)Coxeter群はじめparking functionなど
現代数学で出てくるさまざまな対象と結びついている.
予定としては初めにnoncrossing partitionの定義を述べた後周辺分野との関係,主に
有限型Coxeter群,組合せHopf代数にまつわる話を半順序集合の観点から眺めつつ,時
間が許せば近年Armstrongによって提唱されたgeneralized noncrossing partitioに
ついて紹介したい.
2009年6月18日(木) 15:00−16:30(時間にご注意下さい)
会場:自然系学系棟D棟, 8階 D814
芦野 隆一 氏 (大阪教育大学 数理科学)
「ウェーブレット解析によるブラインド信号源分離を使った画像解析」
アブストラクト:
人間がパーティ会場のように背景雑音の中で複数の人が話をしているような状況でも
自分が注意を注いでいる相手の声を聞き取ることができるのは,
人間の聴覚や脳がどのような処理をしているからなのだろうか.
この問題はカクテルパーティー問題と呼ばれる難問である.
カクテルパーティー問題に対する一つのアプローチが,
ブラインド信号源分離と呼ばれる信号処理の問題であり,
この人間の処理をマイクやコンピュータなどの機器を使ってシミュレートすることを目的としている.
本講演では,
ウェーブレット解析について概観した後,
音声信号(1次元データ)の時空間混合問題に対して,
ウェーブレット解析を使ったブラインド信号源分離の数学的基礎について説明し,
画像(2次元データ)の分離問題への拡張について述べる.
これは萬代武史氏(大阪電気通信大学),守本晃氏(大阪教育大学)との共同研究である.
2009年5月28日(木) 14:00−15:00(時間にご注意下さい)
会場:自然系学系棟D棟, 8階 D814
阿部 弘樹 氏 (筑波大学大学院数理物質科学研究科)
「ゴレンシュタイン多元環」
アブストラクト:
ゴレンシュタイン多元環研究の近況について報告します.
ゴレンシュタイン多元環とは(可換な)ゴレンシュタイン環を拡張した概念で,
非可換代数幾何において重要な役割を果たしています.
本講演では,バスによるゴレンシュタイン環の特徴づけを復習したあと,
後藤・西田による拡張および阿部・星野による拡張を紹介します.
またゴレンシュタイン多元環の導来同値に関する結果を応用して,
ゴレンシュタイン整環を構成する方法について説明します.(星野氏との共同研究)
2009年5月28日(木) 15:30−16:30(時間にご注意下さい)
会場:自然系学系棟D棟, 8階 D814
嶺 幸太郎 氏 (筑波大学大学院数理物質科学研究科)
「無限次元位相多様体の探究」
アブストラクト:
関数の空間や図形の空間など, 数学の世界には無限次元性を備えた構造が存在します.
そして, その中のいくつかの空間は, おそらく多様体の構造を持つだろうと想像
を膨らませることができます. ここで位相空間XがE-多様体であるとは, Xの各点がEと
同相な近傍をもつことと定義します. 今回の講演では, 私の専門である位相空間論の紹介
から始めて無限次元位相多様体論の話まで, 無限次元多様体の例や私の研究テーマを
交えながら, 簡単に紹介させて頂きます.
戻る
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
2005年度
2004年度