2005年度の数学系月例談話会
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2006年3月2日(木) 15:30−17:00
西田孝明 氏(早稲田大学)
「流体方程式系の分岐問題」
アブストラクト:
流体方程式系の解析では、
自然に含まれるパラメーターの変化に対応した解の変化、
解空間の構造の変化を調べる事は中心的な課題である。
その一つの方法として分岐理論があり、分岐曲線の追跡があるが、
それを如何に解析に応用するか、その際の困難点は何かについて
熱対流問題を例にして話す。
2005年12月22日(木) 15:30−17:00
鎌田聖一氏(広島大学)
「2次元の結び目と組みひもの理論とチャート表示」
アブストラクト:
前半では2次元の結び目(4次元ユークリッド空間に埋め込
まれた有向閉曲面)と2次元ブレイドの間の関係を、モーションピクチャー法
を利用して視覚的に分かりやすく解説する。次にチャートと呼ばれる平面上の
ダイアグラムを用いて2次元組みひもや2次元結び目を表示する方法を紹介す
る。チャートは90年代に講演者が導入した概念であり、その後2次元組みひも
や2次元結び目の研究に多く利用されてきている。最近では4次元多様体のレ
フシェツファイバー束空間の研究にも有効であることが分かり、種数1のレフ
シェツファイバー束空間の分類定理の初等的な証明などに用いらている。専門
外の方にも理解できるようになるだけ丁寧に説明したいと思う。
2005年11月17日(木) 15:30−17:00
斎藤秀司氏(東京大学)
Homology theory of Kato type and motivic cohomology of
arithmetic schemes
アブストラクト:
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本講演の主役は数論的多様体のモチフィックコホモロジーである。
代数多様体あるいはもっと一般にDedekind環上の有限型分離的スキーム$X$ にたいし、
Chow群$CH^r(X)$ (余次元$r$の代数的サイクルの全体を有理同値で割った群)の自然な
一般化であるBlochの高次Chow群$CH^r(X,n)$ が定義される。
$CH^r(X,0)=CH^r(X)$ である。モチフィックコホモロジーは、
$H^q_M(X,\bZ(r))=CH^r(X,2r-q)$ と定義される。Voevodskyによるコホモロジー論的な
定義やMorel-Voevodskyによるホモトピー論的な定義もある(もともとGrothendieckが
``普遍的なコホモロジー理論"としてその存在を予見していた)。現在これについて
世界的に活発な研究が行われている。
その理由のひとつは、数論的多様体のゼータ関数の特殊値に関するいくつかの重要な
予想(Tate予想、Birch-Swinnerton-Dyer予想、Lichtenbaum予想、Beilinson予想、
Bloch-加藤予想)において中心的役割を果たすことにある。例えば代数体$K$の類数公式
は、$K$のDedekindゼータ関数$\zeta_K(s)$ の$s=1$ で留数を$K$ の類数と
レギュレーターを用いて表すものであるが、$X=\Spec(\cO_K)$ ($\cO_K$ は$K$ の
整数環)とすれば、類数とは$CH^1(X)$ の位数で、レギュレータの定義に現れる
$\cO_K$ の単数群は$CH^1(X,1)$ と表すことができる。
本講演で考える問題は、整数環上の有限型スキームのモチフィックコホモロジーの
有限性(つまりこれらが有限生成アーベル群である)の予想である。
上述の例においては、代数体のイデアル類群が有限で、単数群が有限生成である
という古典的な定理に相当する。有限性予想はゼータ関数の特殊値の予想の大きな部分
を占める重要な未解決問題で、1次元の場合(代数体の整数環あるいは有限体上の曲線)
を除いて殆ど結果が知られていなかった。この講演の目標は、最近のJannsen氏との
共同研究において発見されたこの問題に対する一般的なアプローチを解説することで
ある。基本的なアイデアは上述の予想を加藤予想と関係付けることである。
加藤予想とは、上述の問題とはまったく別のコンテクストにおいて加藤和也氏により
1986年に提出された予想である。加藤氏は、有限体上の射影的で滑らかな
多様体$X$、あるいは(その数論的類似として)整数環上のregular proper flatな
スキーム$X$ にたいし、ある数論幾何的な不変量
$KH_q(X)$ ($q\geq 0$) を定義して、これが$q=0$ 以外では消えていることを
予想した。
$X$ が有限体上の曲線あるいは(その数論的類似として)代数体の整数環のスペクトラム
の場合の加藤予想は、有限体上の一変数関数体あるいは代数体$K$ のブラウアー群に
関する古典的類体論の基本事実($K$ 上の中心的単純環にたいするHasse原理を
含む)に同値である。
加藤予想に迫る基本的アイデアは、
加藤予想を「数論的スキームのエタールホモロジーにたいし、Bloch-Ogusの理論により
構成されるあるスペクトラル系列の$E^2$項にたいする消滅定理」と再解釈することで
ある。このアイデアを発展させ、
加藤予想を「適当なスキームの圏上で定義される一般的なホモロジー理論
に付随するBloch-Ogusスペクトラル系列の$E^2$項の適当な条件のもとでの消滅定理」
という一般的枠組みにおいて考察し、加藤予想の解決を導く。
表題の``Homology theory of Kato type" とはこの適当な条件をみたす
一般的なホモロジー理論のことを意味している。
講演では、Chow群やモチフィックコホモロジーの定義から始め専門外の方にも
ある程度は理解できるように説明するつもりである。
2005年9月15日(木) 15:30−17:00
三中信宏氏(農業環境技術研究所)
「幾何学的形態測定学のルーツと現在:
生物学・数学・統計学の接点で」
講演内容
スライド
2005年6月23日(木) 15:30−17:00
一瀬孝 氏(金沢大学)
「経路積分・Trotter積公式 あれこれ」
アブストラクト:
物理学者 Richard Feynman の発明した「経路積分」のアイディアは、
量子物理学(実数時間・虚数時間)のこれまでのすべての局面での威力と
最近の数学のいくつかの分野への影響をみると、
当然正しくなければならないと我々に思わせるものがある。
数学的厳密にはまだすっきりとは証明されていないものの、
もっとも簡単な数学的な意味付けは、
時間分割近似を与えているとも言える(強収束の)Trotter 積公式でできるが、
この積公式が非自明な場合にも
作用素ノルムでも収束していることが分かってきた。
すると、その積分核の収束も言えるようになった、、、。
かような話から始めて、周辺の関連する数学の問題に触れ、
余り拡散しない話があれこれできればと思っています。
2005年5月26日(木) 15:30−17:00
中島俊樹氏(上智大学)
「結晶基底と幾何結晶」
アブストラクト:
結晶基底とは、形式的には量子群の表現の q=0 における基底ということができる。
q=0 における基底の振る舞いは q がgeneric の場合に比べて極めて単純なものとなり、
それにより多くの分野への応用を可能にする。講演では、結晶基底の基礎から始めていくつかの例を取り上げながら、
その応用についても解説を行いたい。また、時間が許せば、最近の話題である幾何結晶についても紹介を行いたい。
2005年4月21日(木) 15:30−17:00
笠原勇二氏(筑波大学)
「拡散過程の加法的汎関数に関する極限定理」
アブストラクト:
時間と共に変動する偶然量の数学モデルが確率過程であるが、
Brown 運動はその中でも最も代表的かつ重要なものであり、
古くから研究されており、非常に詳しい性質が分かっている。
今回は、特にその中から古典的な「 Levy の逆正弦法則」と
「Kallianpur-Robbinsの定理」を紹介し、これらを
より一般の確率過程、とくに拡散過程への拡張を解説する。
確率論の専門外の人向けであり、抽象的な一般論よりは
株価など具体的な例を中心に紹介する。
2005年2月17日(木) 15:30−17:00
若山正人氏(九州大学)
「ゼータ正規化積あれこれ」
アブストラクト:
ゼータ正規化積とは,ディリシュレ型の級数で定義されるゼータ関数の
解析接続を通して,無限大の発散を丸め込んだものです.
はじめは,幾何学における 指数定理・不変量の研究など
(Ray-Singer 1978) などで現れ,その後,超弦理論でのラプラシアンの
行列式研究 (e.g. D'Hoker-Phong 1986, Sarnak 1987) を経,
さらには,リーマンゼータ関数の行列式表示などを目指して
(e.g. Deninger 1991)研究がすすめられてきました.
ここでは,正規化積にまつわる研究の流れを振り返りながら,
現状とそれへの期待,さらには諸問題などについて
お話したいと考えています.
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