トポロジーI演習, 学籍番号偶数番優先
2013年度春学期ABC & C
月曜日5限 & 水曜日3限
教科書:集合と位相(内田伏一)裳華房
4問は"必ず"発表すること.(単位獲得のための必要条件)
コメント(6/11)
だんだんと問題を発表する人が減って来ています!
解ける問題も多く載せていますが、いつもそれをいくつか解いて時間が余るということになっています.
課題を与えることにしました.各授業において1問ずつくらい必修課題 を解いてください.
7月3日からcモジュールの方の授業も始まります.
また、発表で解きたい問題がある人はメールをしてください.いつでも相談に乗ります.
残った問題
20,25,29,40,46,48,49,50,51,52,53,54,61,62(i=3½),68,69,70,77(1)(2),81,82,88,89,91(1)(4),94,95,97,99,101,102,103,104,105,106,107,109,110,111,112,114,115,116,118,119,120,121,122,123,124,125
番外問題1
必修課題56,61(2,3,3½),69,77(1,2),83,89,81,99,82,20
解いた学生と問題.ご確認下さい(注意:名前は暗号化されています.)
名前 合計
歩き目です 4 16 18 26 42 64 6 問
ベルヌーイ 5 44 58 59 62(3) 74 77(3) 7 問
ステイン 10 15 17 24 31 37 6 問
リュービル 11 34 36 61½ 72 5 問
ゾルゲンフライ 9 28 35 57 63' 108 6 問
ルジャンドル 12 19 30 65 80 5 問
公表してほしい人がいましたらメールをください.暗号化する名前も同時に知らせてください.
[講評] :本年度のトポロジー演習は発表回数は7問のベルヌーイ他2名が最高でした.
第19回(7/31)
内容
連続、全射、開(もしくは閉)写像であれば、商写像である.
ただし逆は成り立たない.
第18回(7/29)
第18回プリント 125
内容
第17回(7/24)
第17回プリント 117-124
必修課題20がでています!
内容
((49))
I2 →R 2 /~1 の写像を構成せよ.
この写像が商写像であることを示せ.
第16回(7/22)
第16回プリント 101-116
必修課題82がでています!
内容
((100))
全有界かつルベーグ数をもつことからコンパクトを示す.
第15回(7/17)
第15回プリント
必修課題99がでています!
内容
87,98,74,61(½),57,93,96,75,91(2),
[T5 →T4 は×]
T5 空間から T4 空間に無条件でいくことはできません.前回のプリントを訂正しました.
もちろんハウスドルフがあれば行くことはできます.
[分離的(separated)]
位相空間 X において部分集合 A,B が分離的とは、A の閉包が B と disjoint であり、B の閉包が A とdisjoint であることをいう.
[T5 空間]
位相空間 X において分離的な部分集合 A,B があれば、それらは開集合で分離できる.
[遺伝的正規]
T5 空間であることは、全ての部分集合が T4 空間であることと同値である.
第14回(7/10)
第14回プリント 96-100
必修課題81がでています!
内容
距離空間 X から X の間の写像 f が連続であることは
任意の ε に対してある δ が存在して、d(x,y)< δ となる任意の x,y∈X に対して、d(f(x),f(y))< ε が成り立つ.
ではありません. これは一様連続写像です.
写像 f が x で連続であるとは、
任意の ε に対してある δ が存在して、d(x,y)< δ となる
任意の y に対して、d(f(x),f(y))< ε が成り立つ.
そして f が連続であるとは任意の点 x で f が連続であることである.
しかし、92でも解いていたように縮小写像は一様連続写像でもあります.
第13回(7/8)
第13回プリント 89-95
必修課題89がでています!
内容
18,57,80,76(途中)
84の2人は水曜日
[((57))の補足]
F,Gを交わらない閉集合とすると
任意の p∈F と q∈G をとると、
[p,p')∩G≠(空集合) かつ [q,q')∩F≠(空集合) となるような p',q' が存在することを示せ.
[((80))の補足] 授業で言ったことをまとめておきます.
< A,B を連結集合かつ A∩B≠(空集合) としたときに、
A∪B も連結集合であること.>
A∪B=U∪V かつ U∩V=(空集合) となる空でない開集合 U,V (in A) が存在したとする.
このとき、A=A∩(U∪V)=(A∩U)∪(A∩V) かつ、A∩U, A∩V が A で開集合であるから
A の連結性から、A∩U, A∩V のどちらかは A と一致する.
A∩U=A としてよい.
つまり、A⊂U よって、V⊂B となる.
B は連結であるから、V=B となるゆえに、U=A となる.
A∩B≠(空集合) と仮定しているから、ある p∈A∩B≠ が存在する.
これは、U∩V=(空集合) に矛盾する.
これを使えば、x,y を含む最大の連結集合 CX (x),CX (y) が共通部分を持てば CX (x)∪CX (y)
は連結集合となる.
よって最大性からそれらは一致しなければならない.
第12回(7/3)
第12回プリント 83-88
必修課題83がでています!
内容
((68))
任意の多項式関数が連続であることと、距離関数が連続であることを示せ.
((69))
閉区間がコンパクトであることをもちいよ.
また、後半2つの区別はは連結性を用いよ.
((70))
[a,b) を開基とする位相空間.
開区間が含まれていれば、コンパクトではない。
どちらでも
((72))
ハウスドルフ空間のコンパクト部分集合とそれに属さない点は開集合で分離可能であることを示す.
((73))
問題の写像が閉写像であることを示せばよい.
((74))
(1)から(2)閉集合族の共通部分が空集合とすると、コンパクト性から閉集合族の補集合族は有限個で X を
覆うことができる.
これは閉集合族が有限交叉性をもつことに反する.よって共通部分は空集合ではない.
((76))
実数の3進展開を用いて Φ が T に単射であることを示す.
((77(1),(2)))
第11回(7/1)
第11回プリント 76-82
必修課題77(1)(2)がでています!
今週からCモジュールが始まります.しまっていきましょー.
内容
32,64,66,63',77(4),78,71(途中)
写像 f:X→Y がある.Y に位相が入っていたときに X 上に f を連続とする最小の位相 OX をいれること.(以下説明.)
全射写像 f:X→Y がある.X に位相が入っていたときに Y 上に f を連続とする最大の位相 OY をいれること.(以下説明.)
第9回における問題63と第10回における問題63がありましたので後者の方を63'とします!
[f:X→Y において X に位相を入れること.] まず、Y に位相が
入っているとして、f:X→Y を連続とする最小の位相を X に入れるというのは理解しにくいが、
X 上の位相が {f-1 (U)| U:open in Y} で生成されるときにいう.
[f:X→Y (全射)において Y に位相を入れること.]
まず、X に位相が入っているとして、Y に入れる位相として自然なのは商位相である.
Y 上の商位相は f:X→ Y を連続にする最大の位相である.(定義から明らか.)
((52))
アニュラスから円盤への商写像で、片方のS 1 を円盤の一点につぶすようなものが作れることを
示せ.
((53))
円盤から S 2 への商写像で、境界の S 1
が一点につぶされるものが存在することを示せ.
((54))
クラインの壷を作るために I 2 の同一視を作るか、
クラインの壷への商写像を定義せよ.
2次元位相曲面が向き付けできないことを
メビウスの帯と同相な部分集合が存在するときにいうことにして示せ.
n次元位相曲面の向きは正確には接平面の概念が必要となる.
((57))
F,G をゾルゲンフライ直線の任意の互いに交わらない閉集合とする.
p∈F をとる.
このとき、p より大きい十分小さい q をとると p≤x≤q となる x は x∉G となることを示せ.
もしそうならないとすると、G は (p,x0 ] を含み、p を含まないような x0 ∈R が
存在する.これは G が閉集合であることに矛盾する.
よって、このような半開区間 [p,q) を p 毎にとることで、F を覆うこと.
((58))
直積の方だけ示せばよい.
2つの位相空間の積 X× Y の場合、
p =(p1 ,p2 ), q =(q1 ,q2 ) をとると、p≠q もしくは p'≠q' である.
よって、 X, Y がハウスドルフであることを使って p と q
を分離せよ.
((59))
f:X→Y において、X の2つの異なる点列 {xn },{xn '} とその極限 x,x' を考える.
xn と xn ' は f で Y において同じ点列になるようにする.
しかし、極限 x,x' は f において同じ点に写らないような写像とすればよい.
((61))
部分空間 A⊂X とする.
(i=2) A において2点を選んで X の開集合で分離すればよい.それらの開集合を A の共通部分とって A においてもそれらが分離することを示せ.
(i=3) A において1点 x と閉集合 F をとる.F=A∩V となる X 上の閉集合 V をとって、x,V に対して X の T3 の条件を使って開集合 U,V がとれ、それらと A との共通部分が 開集合として x と F を分離することを示せ.
(i=3½) (i=3) に おける議論を連続関数に対して行なえ.
第10回(6/24)
第10回プリント 63'-75
必修課題69がでています! (次回までに提出すること.)
ヒント : 問題69はコンパクト性と連結性を使ってください.
内容
60,47,13
問題の追加を行ないます.
問題61½ f:X→ R が連続なら、部分空間 A⊂X でその制限 f |A は連続である.
問題69ですが、コンパクト性を使うこと.
後の二つを区別するには、連結性を使って区別して下さい.
以下問題のヒントを書いておきます.目標は出された問題は全てとくことです.(ヒントはまた更新していきます.)
((15))
[左から右]部分空間 A⊂X での開集合 U⊂A はある X での開集合 V⊂X が存在して、U=V∩A となること.(閉集合についても同じことです.)よって、A で開集合であるかどうかは X で開集合があって、それと A との共通部分でかけるかどうかを示せばよい.
[右から左]逆に、X で開集合であることは、V' を X' から開集合をとる.仮定から
f |A -1 (V'),f |B -1 (V'), は A, B の開集合だが、
A, B の開集合であることは、上記のように、X の中に V1 , V2 となる開集合が存在し、A, B
との共通部分で作れる.
((18))
(a,b) が上限位相もしくは下限位相では開集合になることを示せ.
(a,b],[a,b) が普通の距離空間では開集合にならないことを示せ.
背理法でもし開集合の和で作れるとすると端点も開集合のある点に含まれる必要がある.
((20))
F⊂X が閉集合であるとき、点列 {xn } が X のある点 x に収束したとする.
このとき、x が F の元でないとすると、X-F は X の中で開集合だから、x の周りであるイプシロン近傍が存在する.
このとき、xn が x に収束することに矛盾する.
逆に閉じているとする.X-F が開集合であることを示せばよい.x∈X-F の任意のイプシロン近傍に対して、 F の点が
入ってくるなら、x に収束する F の点列が取れてしまう.よって矛盾.
((25))
可算集合として、Q∞ とすると、可算集合でなくなる.
よって、可算集合として {xn }∈l1 ,l2 をある n 以上で全て 0 となる数列で値が全て有理数となるもの
をとってこればよい.
任意の点 x∈l1,2 に対してそのイプシロン近傍 B(x,ε) に対して、上記の集合の元が少なくともひとつあればよい.
((29))
S1 の数列 {xn } とすると、[0,π/2),[π/2,π),[π,3π/2),[3π/2,2π) と分割する.
そうすると、この数列の中で無限個存在する領域が存在する.その領域 V1 をとる.
さらに、V1 を4分割すると、その中で無限個存在する領域が存在する.
それを V2 とする.
この操作を続ける.V1 , V2 ,.....と構成続けると、領域はだんだん小さくなって、
S1 上の点に収束する.
Vi には無限個の点が存在するから、xn のなかから、部分列になるように点列を作ることができる.
((31))
U を R 2 =X の開集合とする.
f-1 (U)={(x,y)∈X×X|x+y∈ U} である.この集合が開集合であることを示す.
f-1 (U)=∪x∈X {(x,y)∈X×X|y∈ U-x} であることを使ってこれが開集合であることを
示せ.
本質的には開集合を平行移動した集合が開集合であることを示せ.
((32))
積位相を入れておくと、射影が連続であることはわかる.
射影が連続であるための積集合上の位相の必要条件がそのまま積位相の定義なることを示せ(確認せよ).
((40))
Z 上のR からくる距離位相は離散位相である.
p-進距離においては任意の点の十分小さい近傍が一点のみにならないことを示せ.
十分小さい近傍にも Z の元が入る.
つまり、 p のいくらでも高い冪の整数が存在することを示せばよい.(←これは明らかとしてよい.)
((46))
S1 =R /~ としての位相は、R の開基から来るものであるが、それは (a,b) を開基とするものだった.
(a,b)/~ を開基する位相が S1 に入っている.
一方 S1 上の R 2 からの位相でそれらが作れるかどうか
示せ.部分位相から来る位相は R 2 上の開基を
制限した集合が S1 上の開基にもなる.
((48))
Xλ が可分であるのに、Πλ∈Λ Xλ が
可分でなくなることを示す.
Xλ ={0,1} として O ={Φ,{0},{0,1}} として
((49))
I2 →R 2 を定義し、I2 →I2 /~ と R 2 →R 2 /~ を考える.
φI2 /~→R 2 /~ が定義できる.
この φ が全単射連続であることを可換図式を示す.
また、コンパクト空間からハウスドルフ空間への全単射連続写像は
同相写像になることを使え.
I2 /~ がコンパクトであること、R 2 /~ がハウスドルフ
であることを示す必要がある.
((50))
トーラスを商空間として入れる位相と積位相として入れる位相を両方考えよ.
積位相に関しては、開基として長方形の形の開集合が取れる.
商位相としては、R 2 の開集合からくるものを入れよ.
((51))
1次変換 R 2 →R 2
が連続であることを示せ.
そして、この写像をトーラス上に誘導したときその写像がwell-definedかつ全単射であることを示せ.
商写像を合成させると、トーラス上に連続性が移ることを示せ.
第9回(6/17)
第9回プリント 60-63
必修課題56,61(i=2)がでています!
(2つめは58と同じ問題でした.)
内容
位相空間 X の部分集合 A が開集合であるためには、その任意の点 x∈A に
対して、開近傍 U (もしくは開集合)で A に含まれる(つまり x∈U⊂A⊂X )が存在すればよい.
距離空間において、任意の閉部分集合とそれに含まれない点との距離は必ず正である.
つまり F を閉部分集合として、∀x∈(X−F) とするとき、
d(x,F)>0 となる.
距離空間 X において E,F⊂X が位相空間の重ならない(disjointな)閉部分集合とするとき、
一般に、d(E,F)≥0 です.
d(E,F)=0 となる例は、X=R 2 として、E={(x,y)∈R 2 |x=0} とし、F={(x,y)∈R 2 |xy=1} とすれば2つは重ならない閉部分集合だが、距離は 0 となる.
問題がかぶっていました.
問題58=( 問題61(i=2)&問題62(i=2) )
第8回(6/10)
第8回プリント 52-59
プリントで、T1 空間の定義が間違っています.正しくは、
相異なる p,q に対してある開集合 U, V があって、 p∉U∋q かつ q∉V∋p が成り立つ.
T2 空間の定義で、p,q は相異なる点です.
内容
p-進距離では |n|p ≤2-k を pk |n (n が k 回 p で割り切れる)と定義することにしてください.
第7回(6/3)
テスト
内容
小テスト(~16:30)
持ちこみ可(教科書、ノート、プリント)
携帯不可.
他の受験者との相談は最小限であれば 可(騒がない(他の授業や、他の人の答案の筆記を邪魔しない.))
黒板使用可(誰かが答案を黒板や紙に書いて回覧することは不可)
かならず自力で答案を作成すること.(同じ筆跡のものがあればどちらも0点にします.)
トイレ以外外には出ない.(もし出る場合は答案を提出して途中退室として、再び教室には戻れない.)
開始30分までは遅刻を認める.(途中退室は30分以降のみ認める.)
これらを守れない場合は答案を回収し、その者は未受験とみなします.
試験監督とは問題に関する質問以外相談不可.
第6回(5/27)
第6回プリント 46-51
内容
積位相、第2可算、開基、商写像
23,34,35,44,45,42
第5回(5/20)
第5回プリント 39-45
内容
近傍系、連続、積位相など.
30,33,22,37,38,36
問題38に対するコメント
連続の定義は以下です.
f : X→Y が位相空間の間の連続写像であることは、
「Y の任意の開集合 V に対して f−1 (V) が開集合であること」です.
38の発表者の
「Y の任意の開集合 V に対してある X の開集合が U あって、 f(U)⊂V となること」
は f が連続であることを意味しません.
この条件は f が写像であるならいつでも成り立つ条件です.(なぜか?考えよ)
また、この問題は授業でも言いましたが {x}×Y に入る相対位相としての開集合と Y の開集合とが同じ意味であることを
示す問題です.
[遺伝的]
ある位相空間の性質がその任意の部分位相空間においても成り立つ時、
その性質は遺伝的という.
問題27の問題は可分という性質は遺伝的ではないということができる.
相対位相に遺伝する位相的性質はどんなものがあるか?(完全T4 空間(T5 空間)は遺伝的なT4 空間のことである.)
第4回(5/13)
第4回プリント 32-38
※抽象化と具体化の文章を少々訂正.(急いで書いたので文章が変になっていました.)
内容
開基、可分、第1可算、第2可算、位相の生成、準開基の問題.
開基 B={Uλ |λ∈Λ} とは、任意の開集合 V が B の元を使って、
V=∪μ∈A Uμ と表すことができる.( A ⊂Λ である.)
開基とは、任意の開集合 V と任意の x∈V に対して x∈U⊂V となる U∈B が存在する.
第1可算公理とは各点において可算個の基本近傍基を持つこと.
第2可算公理とは可算個の開基をもつことである.(つまり、Λ が高々可算集合.)
準開基 N は位相 O の部分集合 N⊂O であり、任意の開集合 V と任意の x∈V に
対して、N1 ,N2 ,...,Nn が存在して、x∈N1 ∩N2 ∩...∩Nn ⊂V
となること.
可分とは、可算個の稠密部分集合が存在すること.
開基はまさに位相空間の基底の概念である.
集合の演算は共通集合をとる操作もあるので、
ある集合族が共通集合をとる操作で開基が作れるとき、それらを準開基というのである.
第3回(5/7)
第3回プリント 19-31
※問題7の結論は、A∩U≠(空集合) かつ Ac ∩U≠(空集合) の間違いです.
それについて以下コメント.
内容
問題7の発表の時のコメントで、
(X,O) を離散位相とし、A を任意の集合とする.
と、Ai と Ae は空集合となると言いましたが、間違いです.
この場合、Ai =A,Ae =Ac となります.
よって、Af =(空集合) となります.
例として出したかったのは、以下です.
(X,O) を無限集合上の有限補集合位相とします.
A を1点 p からなる集合とするとき、Ai =(空集合) かつ Ae =X−{p}
となります.よって、 Af ={p}=A となります.
つまり、p を含む任意の開集合 U を取って来ても、Ai ∩U≠(空集合) となることはありません.
もちろん A∩U≠(空集合) は成り立っています.
なので発表者が間違っていたところは、
U を x を含む任意の開集合としたとき、 U は A に含まれませんが、そのとき
(i) A は U の真の部分集合
(ii) A と U は disjoint
(iii) A と U は共通部分はあり、(i)でも(ii)でもない.
となっていましたが、これは正しい.
しかし、U は (もうひとつの仮定があるから)Ac に含まれることもないから、(ii)は排除できる.
しかしAi =(空集合)の場合があるから(i)は排除できない.
よって、Ai ∩ U≠(空集合)までは言えないはずです.
以上、問題はこちらの不手際でした.
第2回(4/22)
第2回プリント 12-18
※授業で配ったプリントでは触点と集積点の定義が間違っていたので直してあります.
内容
位相空間、近傍、触点、連続
[ハウスドルフ]
X がハウスドルフとは以下を満たす位相空間のことである。
任意の異なる x,y ∈ X に対して、
ある開集合 V, W が存在して、x∈V, y∈W かつ V∩W=空集合
ハウスドルフを用いて問題8を解いていましたが、もちろんそれを用いなくてもできます.
本質的にその概念と同じものを用いています.(以下証明の概略)
x∈X に対して、M-開近傍 N(x,M) をとる.このとき、M は X の直径より小さく取っておきます.
(直径 とは、距離空間 X の2点間の距離の中で最大のもの.)そうすると、 N(x,M) は X 全体と一致しません.
かつ、開集合なので、 X-N(x,M) は空集合ではない.よって有限集合となる.
この有限集合の中の距離で最小より小さく ε をとる.
もちろんこの有限集合の各点の ε-開近傍は1点集合からなる開集合である.
その補集合は無限集合だから、有限補集合位相であることに矛盾する.
x がA の触点(閉包)であるとは次の2種類の(同値な)定義があります.
集合 A を含む全ての閉集合の共通部分.(もしくはそのような閉集合で最も小さいもの)
x を含む任意の開集合が A と共通部分を持つ.
第1回(4/15)
第1回プリント 1-11,番外問題1
問題7訂正:Ae →Af , Af →Ae
内容
位相の定義.
開集合とはなにか?閉集合とはなにか?
位相を考える意味.
距離化可能空間.
順序位相.
○○が位相空間であることを示す方法.
与えられた (X,O) が位相の定義[O1 ,O2 ,O3 ]を満たすことを示せばよい.
注意!:「位相の性質を使うと○○が位相空間であることがわかる」
というような説明は明らかに (X,O) が位相空間であることを示していません.
証明の論理について (上のようなよくある間違いを一般化すると)
「○○を使って○○を示す」(○○は同じものが入ります.こういうのをトートロジー(同語反復)といいます.)
という証明をたまに見かけます.そんなバカな.と
思うかもしれませんが、慣れないうちは、知らず知らずのうちにやっている
ことがありますので注意してください.以下これを避けるための方法.
[1]できたと思っても自分の解答をもう一度よく眺めてみましょう.
[2] 何を示そうとしているのかを、始めに論理式(⇒, ⇔ など)を用いて明確にするのも手です.
[3] 証明するのに使っていない条件があったり、本来とは関係ないところで無条件で証明ができてしまったときは要注意です.そのとき、おかしいなと気付くカンを養ってください.
質問、授業の感想、ホームーページの感想などあれば以下のアドレスまで。
tange (あっとまーく) math.tsukuba.ac.jp ((あっとまーく)=@)
部屋はB622です。気軽にお越しください。
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