曲線と曲面演習, 学籍番号偶数番優先
2013年度秋学期BC
月曜日5限 1E402
教科書:じっくりと学ぶ曲線と曲面(共立出版)、曲線と曲面の微分幾何(裳華房)
とりあえずレポートを毎回といてもらうことにしています.
プリントは金曜日17:00までに7Fのレポートボックスに入れてください.
できる問題だけでいいです.
採点は加点法とし、平均して全体の6割程度解いている人は合格します.
まだ解かれていない第4回以降の例題(第3回までの問題を解いてもかまいません.)
4-5,4-6,4-7,4-8,5-1,5-2,5-3,5-4,5-7,5-8,5-9,5-10,5-11,5-12,5-13,5-14,6-2,6-3,6-8,6-9,6-10,7-1(途中),7-10,7-11,7-13,7-14,7-15,8-1,8-3,8-4,8-5,8-8,8-9,8-11,8-13,8-15,9-2,9-5,9-6,9-7,9-8,9-9,9-10,10-1,10-2,10-3
質問に対して(2/2)
とある学生から質問を受けました.
質問:弧長パラメータを一般パラメータに直して曲率を計算するにはどうするのか?
回答:下にその質問に対する文章を貼りつけました.読んでみてください.曲線と曲面は
微積分の基礎が分かっていないと結構厳しいです.
しかし、テクニカルな微積分の計算ではなく、積の微分法、商の微分法、置換積分、合成関数の微分法、逆関数の
微分法など高校でも習うような基本的な事柄です.
その公式がキチンと分かっていないと、何をやっているのか全く分からなくなってしまいます.
このあたりのことが分かっていない人は、下の文章を本当に分かるまで何回も読んでみてください.
第10回(1/27)
第10回プリント
(10回の宿題プリントは2/7まで)
第9回(1/21)
第9回プリント
(情報:主曲率、を求める多項式(−dn の固有多項式)の行列が−1倍して定義していましたのでプリント及び授業中に修正しました.(教科書と合わないと思った人もいたかと思います.すみません.)
[閉曲面とは]
閉曲面とは境界(端っこの点)のない曲面のことである.
第8回(1/6)
第8回プリント
第7回(12/25)
第7回プリント
ミスプリは直してあります.
第6回(12/16)
第6回プリント
授業中にいきなり出した問題も入れてあります.
[曲がり方を数値的にみるには]
第2基本形式は関数の2階微分に関する情報をみています.
さらに n の方向に射影して見ているわけだから、接平面の aSu+bSv の方向に対する曲がり具合を接平面から基準に見てやったものが
La2+2Mab+Nb2 です.
しかし、a,b をこの方向に大きくしてやると、つまり、実数 t を大きくしてやると、taSu+tbSv は大きくなり
La2+2Mab+Nb2 も2乗のオーダーで大きくなっていきます.
これではこの方向にどれほど曲がっているか数値化することができません.
なので、曲がり方を数値的に見るには aSu+bSv を長さ 1 に正規化してみてやる必要があります.
それが、その方向の法曲率ということになります.
第5回(12/9)
第5回プリント
[第一基本形式]
第一基本形式は、抽象ベクトル空間 TpS 上の内積のことであるが、そもそも TpS ⊂ R3 であり、その内積は R上の内積から誘導されるものである.
つまり、TpS 上のベクトルの長さは R3 の長さで測っている.
曲面 S の点 p を動かして接平面をいろいろと動かして考えてみよ.(ただし、p を動かすと、Su, Sv
は点によって変わってくる.)
[第一基本形式の意味]
第一基本形式は上で書いたように R3 での長さを測っているというだけならなぜわざわざ
対称2次形式なんか考えるの?要は R3 上の普通の(ピタゴラスの定理が成り立つような)ユークリッド計量
を S 上に制限してできると考えればいいんじゃないの?と思うかもしれません.
確かにその通りですが、実は、もっと一般の曲面を考える時に有効なのです.
例えば、R4 に入っている曲面を考えるとか、もっと他の(計量が入った)空間 X の中に
入っている曲面を考える際に役に立ちます.つまり、I = Edu2+2Fdudv+Gdv2 の形は
曲面が入っている入れ物の空間を考えなくても、(u,v)-パラメータ空間 の(1,0)-方向,(0,1)-方向 のベクトルの
曲面上の実際の長さやその間の角度などを測ることで、曲面上の接線の長さや曲面上の曲線の長さ、
あるいは領域の面積が計算できます.
今の場合は、曲面が R3 に埋め込まれているから
その長さや角度の決め方が R3 上のユークリッド距離からくるものであり、
E,F,G があのように決まるわけです.
結局計量が入った曲面を考えるには、(u,v)-パラメータ空間と (1,0), (0,1) を基底とし、各点 (u,v) 毎に
内積 I(⋅,⋅) の成分が E,F,F,G の行列として定まるような空間であると考えてもうまく行きます.
第4回(12/2)
第4回プリント
[第一基本形式]
来週あたりから本格的に計算に入る曲面論で重要な量です.曲面の各点の接平面に入る2次元のベクトル空間の計量(内積)、つまり曲面に沿った長さや角度、面積などの計算に用いられます.このとき、
I = E du2+2F dudv+G dv2
のような2次形式を第一基本形式といいます.
つまり、
ξ = a⋅pu+b⋅pv η = c⋅pu+d⋅pv
という2つのベクトルの接平面での計量(内積)は
I( ξ , η )=acE+(ad+bc)F+bdF
となる.2×2 行列で成分が E, F, F, G となる行列で作られる計量である.
[曲率、捩率.]
曲率と捩率がごちゃごちゃとしてきたのでまとめておく.
位置ベクトルを p(t)=(x(t),y(t)) とし弧長パラメータに直したものを同じ記号で、p(s)=(x(s),y(s)) とかけば、
つまり、この公式の分母は弧長パラメータと一般パラメータの補正項と考えれば、主たる部分は、p' と p'' の張る平行四辺形の面積を計算している.空間の曲率も、
となりベクトル積(外積)の長さが2つのベクトルの張る平行四辺形の面積に等しいことから上の2つの公式はどちらも同じ公式であることがわかる.(ただ、行列式をとることと長さを取ることには符号の分だけ違いがある.)
捩率 τ は
第3回(11/25)
第3回プリント
[総括すると...]
曲率はあるベクトルの長さ( ||e'1(s)||=||p''(s)|| )を求めていることになり、捩率はある行列の行列式 | e'2(s) e1(s) e2(s) | を求めるていることになります.
[今日は...]
公式の導出ばかりやっていて、例の計算をする時間がありませんでしたね.深く反省.常螺旋くらい計算したかった...自分で計算してみて♪
そして、皆さん、頑張って宿題やってください.
第2回(11/18)
第2回プリント
[空間曲線の κ(s) について]
空間曲線の場合、κ(s)=0 となる点が存在すると困ります.つまり、e'1(s) の向きとしてe2(s) を
決めていたのでその矢印がなくなると、e2(s) が定義できなくなってしまいます.
なので、e2(s) が必要になるとき、0 にならないと普通は仮定します.
[ベクトルの微分について]
ベクトルの微分が分からない人がいるかもしれませんがベクトルの微分は各成分の微分をすることです。
つまり、f(t)=(x(t),y(t)) だとすると、f'(t)=(x'(t),y'(t)) となります.
また、内積が絡んでいても、f(t)⋅g(t) (これはひとつの t の関数となります)の微分は、
(f⋅g)'=f '⋅g+f⋅g' となります.
証明は授業でやりましたね.
これを使って、e1⋅e1=1 や e1⋅e2=0、e2⋅e2=1 からフレネセレの公式の2行目が求まります.
[曲率の直感的定義について.]
曲率とは、定速度で走る物体に関する力として加える力(質量は 1)として考えましたが、確かに感覚的には遠心力が存在します.
しかし遠心力は物体に働いている力ではありません.回っている本人から見える見かけの力(慣性力)です.
急ブレーキをかけたときに前につられるあの力と同じ種類のものです.
等速度で動いている物体が一定速度で曲がるときに働いている力は向きを変える方向(曲率円の中心方向)に
かかる向心力だけです.
第1回(11/11)
第1回プリント
[曲率の正負]
p'(s)=e1(s) とする.e2(s) を e1(s) の正の向き(反時計回り)に90度回転させたもの.
このとき、曲率の正負とは e2(s) に関して同じ向きなら正、違う向きなら負となる.
[逆双曲線関数]
よく出てくるのでまとめてみた.
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