微積I演習 2012年度1学期
水曜日4限
教科書:微積分学入門(例題を通して学ぶ解析学)倍風館
第3回(5/2)
三角関数の逆関数
第3回プリント
内容:
- y=Arcsin(x), y=Arccos(x), y=Arctan(x) のグラフと性質
- これらの定義域と値域に気をつけろ。
- Arcsin(x)の定義域は -1 から 1 、値域は -π/2 から π/2 まで。
- Arccos(x)の定義域は -1 から 1 、値域は 0 から π まで。
- Arctan(x)の定義域は実数全体、値域は -π/2 から π/2 まで。
- 三角関数の公式を復習
- Arcsin(x), y=Arccos(x), y=y=Arctan(x) の値を求めよ。
- これらの関係式を証明せよ。
- y=sinh(x), y=cosh(x), y=tanh(x) のグラフと性質
- これらの関係式を証明せよ。
第4回(5/9)
初等関数の微分
第4回プリント
第3回プリント解答
内容:
- 微分可能の定義。
- 積・商・合成関数の微分の公式。
- 逆関数の微分。(Arcsin, Arccos, Arctan, tanh-1 など)
- 例1
- 例2
- 対数微分法。微分がらくになる。
- 例3
- 演習。
第5回(5/16)
高階微分・ライプニッツの公式・近似計算
プリント
第4回プリント解答(例題の答えも作りました。)
内容:
- n 階微分の定義。
- ライプニッツの公式。
- sin cos の n 階微分について。
- tanh-1 x の n 階微分。
- xα の n 階微分について。
- (2n-1)!! などの記号の意味。
- 平均値の定理。
- 平均値の定理の分母を払うと、
f(x)=f(a)+f ' (ξ)(x-a)
となり、x が a に十分近いとき、f(x) の近似(一次近似)と思えること。つまり、
f(x)≒f(x)+f ' (a)(x-a)
- (0.99)1/4 を計算すること。
- 演習
第6回(5/23)
ロピタルの公式・ランダウの記号・テイラー展開
プリント
第5回プリント解答
内容:
- ロピタルの定理の説明。
- ロピタルの定理は f(x) ->0 , g(x) -> 0 もしくは f(x) -> ±∞, g(x) -> ±∞(符号はどの組み合わせでもよい)の場合(いわゆる不定形の場合)に有効です。
- ランダウの記号。まずは式になれること。
- ランダウの記号の意味は、関数 f(x) を g(x) で近似することである。
- その近似の度合いを o(xn) などで表している。
- n -> ∞に従って関数 g(x) を取り替えていくと、f(x) と g(x) の近似の精度があがっている(近似が良くなっている)ということです。
- 拡大率というと少し正確ではないかもしれません....
- テイラー展開の説明。
- テイラー展開は平均値の定理の一般化である。(第 n 次近似といえる。)
- 平均値の定理を繰り返し使うことでテイラー展開が得られます。
- 演習。
第7回(5/30)
テイラー展開
プリント
第6回プリント解答
内容:
- テイラー展開の剰余項は o((x-a)n-1) である。
- 剰余項の部分はいつでも n→∞ で収束するとは限らない。(例 e-1/x2 など)
- テイラー展開も全ての実数で成り立つとは限らない。(例 1/(1-x)=1+x+x2+x3+..... は x>1 で右辺が発散してして不成立。x=1 では左辺も発散。)
- x=a でテイラー展開するとき、a の十分近くでこの展開が成立する。(収束半径)
- ランダウの記号の公式 xmo(xn)=o(xn+m), o(xm)o(n)
- o(m)+o(n)=o(xm)\ \ ただし m≦n
- 漸近展開を用いて極限を計算する。
- マクローリン級数展開。
- 二項級数のマクローリン展開
- 収束半径内でマクローリン級数は項別に計算すればよい。
f(x)=Σn=0∞anxn
g(x)=Σn=0∞bnxn
のとき、
- f(x)+g(x)=Σn=0∞(an+bn)xn
- xkf(x)=Σn=0∞anxn+k
- f(xk)=Σn=0∞anxnk
- f'(x)=Σn=0∞nanxn-1
- ∫0xf(t)dt=Σn=0∞anxn+1/(n+1)
- Arcsin x のマクローリン級数展開(授業での計算では間違いがありました。twitterに訂正を貼り付けました。)
第8回(6/6)
無限級数、積分、置換積分
プリント
第7回プリント解答
内容:
- 無限級数 Σn=0∞an が収束するなら、各項 an は 0 に収束すること。
- 無限級数を計算するのにテイラー級数展開を用いること。
- 積分について。(テクニックを個別に覚えること。)
- 多項式、べき関数の積分
- 三角関数の積分 I sin の微分が cos になり cos の微分が -sin になることを用いて置換する。
- 有理関数の積分 I (分子が分母の次数より大きい場合)
- √(1-cosθ)の積分の仕方。
第9回(6/13)
部分積分、有理関数の積分、無理関数の積分
プリント
第8回プリント解答
内容:
- 部分積分の公式、演習、例
- 有理関数の積分、
- 分子の次数が分母の次数より大きい場合、割り算をして分子の次数を分母の次数より小さくする。
- 割り算をした後、部分分数に分解して、 1/(x+a)n もしくは、 (cx+d)/(x2+ax+b) の形に分解すること。
このとき、x2+ax+b は実数係数の一次式に分解できない多項式である。
- 1/(x+a)n は 1/(x+a)n+1 もしくは log を用いて積分できる。
- と変数変換できて、前者は t=y2+1、後者は s=tan y などで置換して積分。
- 三角関数の積分は sin x もしくは cos x を t と置くことによって、置換できる場合がある。
- f(sin x, cos x) の積分は迷ったら tan(x/2)=t と置くことによって全て解決できる。
- 無理関数で、√(1-x2) は三角関数 x=sin t と置くことによって、√(1+x2) は x=sinh t と置くことによって
積分できる形になる。
- 無理関数 √(1-x2) は他に置き方があり(教科書の例2.15など参照)
- 演習。
第10回(6/20)
三角関数の積分・体積・曲線の長さ。
プリント
第9回プリント解答
第10回プリント解答
内容:
- sinn の積分の公式とその証明。
- 例題
- 体積に関する積分
- 球体の体積の計算。
- 曲線の長さの積分
- 球の表面積の計算。
- 極方程式で表された曲線の長さ。
- 回転体の体積の求め方。
- 対数螺旋の長さ。
- 演習。
第11回(6/27)
三角関数の積分・体積・曲線の長さ。
定期試験
内容:
レポートをみて思ったこと。
- A2=B2 ならば A=B と大多数の人がしている。
A2=B2 ならば、(A-B)(A+B)=0 なので A=B もしくは、 A=-B のはず。
A=B となるならその理由を必ず付すこと。(しないと減点されます。)
- 計算過程はなるべく省略しない。
- tanh-1(x) は tanh(x) の逆関数という意味です。つまり、y=tanh-1(x) ならば、
x=tanh(y) となります。また、(tanh-1)'(x)=1/(1-x2) となることに気をつけましょう。
- テイラー級数展開に弱いようです。基本的な展開について覚えましょう。
また、2項係数は、
のように計算します。
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