数学基礎 2010年度後期
火曜日2,3限
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第1回(10/5)
関数とは。1変数関数の連続、微分可能、ランダウの記号。多変数関数の連続、全微分、偏微分。
内容:
- 1変数関数の連続、微分可能の復習。
- 多変数関数の導入。
- 連続と点列連続の定義。
- ユークリッド空間上の連続性と点列連続性の同値性について。
- ランダウの記号。
- 偏微分の定義。
- 全微分可能の定義
- 全微分の定義は関数の近似であること。
- 関数の接平面。
第2回(10/12)
全微分の性質。合成関数の微分法。
内容:
- ランダウの記号の定義と性質。演習。
- 全微分可能なら連続であること。
- 偏導関数が連続ならば全微分可能であることの証明。
- 接平面の方程式。
- 合成関数の微分法その1。(R¹ →R² →R¹)
- 合成関数の微分法その2。(R² →R² →R¹)
- ヤコビ行列とヤコビアン。
第3回(10/19)
微分の順序。多変数のテイラー展開からグラフの凹凸へ。
内容:
- 微分の順序によって値が違うことがあること。
- f_{xy}とf_{yx}が連続ならばf_{xy}=f_{yx}であること。
- 1変数のテイラー展開の復習。
- 多変数のテイラー展開の定理。
- 多変数のテイラー展開の証明。
- 微分が消えている時のテイラー展開の2次の項からグラフの凹凸をみること。
- 極値の定義。
- グラフがある点で極値であるための2次の項における十分条件。
- ヘッセ行列、ヘッシアン。
- ヘッシアンが正であること。
第4回(10/26)
ヘッシアンが負である場合の振る舞い。ベクトル空間。
内容:
- ヘッシアンが負であるとき、その点は鞍点という。
- ヘッシアンが0の時。ヘッセ行列のrankが1のとき、極値、鞍点、停留点、様々あること。
- rankが0のとき、3次以上の項をみる。(ここではこれ以上は扱わない。)
- 偏微分が全て消えている点を臨界点という。
- ヘッシアンが消えている場合でも極値かどうかわかる場合がある。
- ベクトル空間の定義、数ベクトル空間との違い。
- ベクトル空間の例。
- 部分ベクトル空間。
- 部分ベクトル空間の例。
- 線形写像。
第5回(11/2)
1次独立、1次従属、基底、ベクトル空間の次元
内容:
- 同型写像。
- ベクトルの1次結合、1次独立性、1次従属、1次関係、基底の定義。
- 数ベクトル空間の標準基底。
- ベクトル空間Vの基底は任意Vの元vを一意的な一次結合で表すことができる。
- ベクトル空間に基底v1,...,vnがあるときベクトル空間は数ベクトル空間と同一視できること。
- ベクトル空間の基底が{v1,...vn},{u1,...um}となるときn=mが成り立つ。
- fが同型ならば、w1,..,wnが1次独立ならばf(w1),...,f(wn)も1次独立であること。
- 連立一次方程式Ax=0に0でない解xがないための必要十分条件について。
- dimVの定義。
第6回(11/9)
1次独立なベクトルの最大個数。
内容:
- Vのベクトル{v1,..,vn},{u1,...,um}がに対して、各viがujたちの1次結合でm< nなら{v1,..,vn}は1次従属であること。
- 1次独立なベクトル{v1,..,vn}の最大個数I(v1,..,vn)の定義。
- 任意のviがujの1次結合ならI(v1,..,vn)≦I(u1,..,um)
- I(v1,..,vn)=r⇔v1,..,vnの中でr個の1次独立なベクトルがあり、その他のベクトルはそれらの1次結合であること。
- 行列Aの簡約化は一意的であること。
- ある(数)ベクトルの集合から1次独立なベクトルを(最大数)選びだす方法。
- 最大数選び出したベクトルの1次結合で他のベクトルを表す方法。
- 1次独立なベクトルの最大個数はそのベクトルで生成される部分ベクトル空間の次元である。
レポート問題(11/12)
レポート問題を解いて、11/25(木)17:00までにレポートボックスに提出してください。
答え
(11/16)
休講
第7回(11/30)
レポートの解説、連立一次方程式の解空間の次元
内容:
- レポートの解説。
- 2変数関数f(x,y)において(a,b)を通る任意の直線上で極値であってもf(x,y)は極値にならない場合があることに関して。
- 数ベクトル空間からベクトル空間への抽象化について。
- 連立一次方程式の解空間の次元公式と解空間の基底の求め方。
第8回(12/7)
表現行列
内容:
- 行列のrankはその線形写像の像の次元であること。
- 線形写像T:U->Vの像の次元をrank(T)、TのKernelの次元をnull(T)とすると、dim(U)=null(T)+rank(T)が成り立つこと。
- ベクトル空間に基底を決めることと数ベクトル空間に同型写像を作ることは同値であること。
- 線形写像Tの表現行列の定義。
- 基底の変更による表現行列の変換則。
- T:U->Uに対する表現行列の変換則。
- 練習問題。
第9回(12/14)
固有値、固有空間、行列の対角化
内容:
- 線形写像の固有値、固有ベクトル、固有空間、固有多項式の定義。
- 線形写像の表現の取り方によらず固有多項式が定まることの証明。
- 例の計算と対角化への導入。
- 行列が対角化可能の定義。
- 固有空間の次元の和はベクトル空間の次元以下であること。
- 対角化可能であるための必要十分条件は固有空間の次元の和がベクトル空間の次元と等しいこと。
- 固有多項式が重根を持たなければ対角化可能であること。
- 例題の計算。
- 演習。
第2回レポート(12/17)
レポートを解いて1月7日までにレポートボックスに提出してください。
答え
第10回(12/21)
直交行列、正規直交基底
内容:
- ケーリーハミルトンの定理とその証明。
- 実ベクトル空間が内積空間であることの定義。エルミート空間の定義。
- 内積空間の例。
- 正規直交基底の定義。
- 正規直交ベクトルは1次独立であること。
- シュミットの直交化法。
- 直交変換。
- 直交行列。
- 正規直交基底を正規直交基底に写す写像は直交変換であり、逆も真であること。
- シュミットの直交化の演習。
演習問題を配りました。
第11回(1/9)
対称行列の対角化
内容:
- 対称行列の固有値は実数であること。
- 行列の固有値が全て実数であるとき、その行列はある直交行列によって上三角化されること。
- 対称行列は直交行列によって対角化されること。
- 対称行列の対角化の演習。
- 演習。
演習問題part2を配りました。
第12回(1/16)
演習
内容:
第13回(1/25)
内容:定期試験(持ち込み不可)
- 2限(10:30-11:50)(4共40)
- 3限(13:00-14:20)(4共40)
- 試験問題
- 試験解答