数学基礎 2009年度後期
火曜日2,3限
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第1回(10/6)
全微分と偏微分。
内容:
- 連続関数の定義。全微分の定義。
- 連続だが偏微分可能でない関数。
- 偏微分可能だが連続でない関数。
第2回(10/13)
全微分の性質。合成関数の微分法。
内容:
- 全微分可能なら偏微分可能であり、連続であることの証明。
- 全微分可能関数は偏導関数がすべて連続であることが必要十分であることの証明。
- 多変数関数の合成関数の微分法とその演習。
(10/20)
休講
第3回(10/27)
グラフの凹凸。
内容:
- 偏微分の順序について。
- 全微分可能であるための判定。
- 2変数関数のテイラーの定理。
- 2変数関数のグラフの2次近似。
- ヘッセ行列。
- グラフの極値、鞍点など。
- ヘッセ行列のrankが1の場合のグラフの局所的な様子。
第4回(11/10)
グラフの凹凸など演習。ベクトル空間。
内容:
- グラフの凹凸の演習。
- ベクトル空間の定義。ベクトル空間の例。
- 部分ベクトル空間。
- 線形写像の定義。
- 一次独立、一次従属、生成する、基底
- 基底の濃度は基底の取り方によらないことの証明。
- ベクトル空間の次元。
レポートです。
この問題を解いて11月25日までにレポートボックスに提出して下さい。
形式は問いませんが、名前、学籍番号は明記してください。
レポートの答えです。
<コメント>
問題1 は1変数関数のつもりでしたがf(x,y)と書いてしまいました。
紛らわしいので2変数関数での議論も1変数の議論もどちらもあっていれば○にしています。
問題3 はヘッシアンが正になるものがなくてあまり教育的ではありませんでしたがそうでないときの対処も授業で少し教えました。
問題5 は少し抽象的な議論が多いためにできている人はあまりいませんでした。
抽象ベクトル空間にも少しずつ慣れていきましょう。
第5回(11/17)
連立方程式の解空間の次元
内容:
- 連立方程式の解空間の次元。
- 解空間の次元公式dim(W)=n-rank(A)の証明。
- rank(A)は行列Aの掛け算による線形写像の像の次元であること。
- 一般の線形写像Tのrank(T)
- null(T)+rank(T)=n
(11/24)NFのためお休み
第6回(12/1)
表現行列
内容:
- 同一視するということ。
- ベクトル空間Uと数ベクトル空間の同一視はU上にある基底をとることと同義である。
- 線形写像U→VはU,Vの数ベクトル空間への同一視を決めておけば行列で表わされる。
- 表現行列の定義。
- 基底の変換行列。
- 基底の変換行列と表現行列の間の関係。
- 表現行列の求め方。
第7回(12/8)
固有値、固有ベクトル
内容:
- 固有空間の意味
- 固有値、固有ベクトル、固有空間、固有多項式の定義
- 行列の固有値。
- 一般の線形写像の固有値
- 固有多項式は表現の仕方によらないことの証明。
- 対角化への応用。固有値はいつでも存在するとは限らないことの注。
- 固有値、固有空間の計算。
第8回(12/15)
行列の対角化
内容:
- 行列の対角化の定義。
- 固有空間の次元の和はベクトル空間の次元以下であること。
- 固有空間の次元の和がベクトル空間の次元に一致することは行列が対角化できるための必要十分条件である。
- 固有値が全て相異なる値として求まれば対角化可能。
- 対角化判定の例題。
- ケーリーハミルトンの定理
- 演習。
レポート第2弾です。
この問題を解いて1月7日までにレポートボックスに提出して下さい。
形式は問いませんが、名前、学籍番号は明記してください。
第9回(12/22)
内積空間、シュミットの直交化。
内容:
- 内積(計量ベクトル)空間の定義。
- ベクトルのノルム。
- 直交補空間の定義。
- 正規直交基底の定義。
- シュミットの直交化。
- シュミットの直交化の例題
第10回(1/7)
実対称行列の対角化。
内容:
- 直交変換の定義。
- 直交変換は正規直交基底を正規直交基底に写す変換である。
- 直交行列の定義。
- 数ベクトル空間の線形変換は直交行列をかけて得られる。
- 対称行列は実数を固有値にもつことの証明。
- 実数を固有値にもつ行列の直交行列による上三角化
第11回(1/12)
実対称行列の対角化part2
内容:
- 実対称行列は対角化可能であること。
- 実対称行列を対角化する例題。
- 実対称行列の固有空間は互いに直交すること。
- 2次形式の標準化。
- 演習。
第12回(1/19)
演習(part2)
内容:
演習の答え1-23
演習の答え24-35
第13回(1/26)
定期試験(火曜2限、火曜3限)
火曜2限
試験会場 | 4共14 |
試験時間 | 10:30-11:50(80分) |
持ち込み | 認めない。 |
火曜3限
試験会場 | 4共14 |
試験時間 | 13:00-14:20(80分) |
持ち込み | 認めない。 |
試験問題
定期テスト講評
試験解答
全体的によくできていた。
計算ミスはミスごとに2点減点。
問題1
(1):基底の定義ができていない人が意外にも多かった。一次独立性と生成性の2つがあって5点。次元の定義があっていれば5点。
(2):答えをみる限り全微分の定義を理解できていなかった人が少なからずいた。
(3):x,yによる偏微分が両方0となる点が極値の候補である。
グラフの凹凸に偏微分係数がどのようにかかわっているかを勘違いしている答案があった。
候補が全て導き出せなかったが、その後の式(ヘッシアンの議論など)が合っているものは10点。
問題2
(1):第5回にやった次元公式をうまく使うことがポイント。
(2):行列の簡約化に持ち込み、解を求めること。簡約化をせずにパラメータをおいて整理したものも○にした。
問題3
(1):行列表現の定義が分かっていると思われる答案は大体正解であった。
(2):表現行列が対角化されるかどうかの判定の問題。固有値が全て異なるので対角化可能というだけで正解。
実際対角化する行列を求めていても正解。
問題4
(1):対角化できるだけではなくて対角化するための行列を求める問題。
固有空間のベクトルを並べた行列を考えるだけでよい。
(2):直交化を忘れている答案が少なからずあった。その場合、対角化ができていれば5点。
火曜2限
火曜3限
追試験
以下の問題を解いてレポート形式にて2月9日(火)17:00までに全学共通に提出してください。
問題
追試解答例
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