ハンドルセミナー'25 (since 2013)
場所:オンライン, 筑波大学 or 東工大本館
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2025年前期
- 第4回 2025/7/9 (水) (online)
久保田 肇氏(京都大学) 10:00-12:30 (GMT +09:00)
[タイトル]
diagonal knotについて
[アブストラクト]
grid homologyとは,knot Floer homologyの純粋に組み合わせ的な再構成である.
grid homologyはgrid diagramという図式から計算されるが,特定のgrid diagramで表すことのできる結び目をdiagonal knotという.
この講演では,以下の3点について説明する.
(1) diagonal knotがある意味でgrid homology上で扱いやすい結び目であること,
(2) grid homologyがdiagonal knotのどのような幾何的な性質を捉えるか,
(3) 既存のよく知られる結び目のクラスとdiagonal knotとの比較.
- 第3回 2025/6/20 (金) (online)
谷口 正樹氏(京都大学) 10:00-12:30 (GMT +09:00)
[タイトル]
結び目コンコーダンスと実Seiberg-Witten理論
[アブストラクト]
結び目コンコーダンスにおける一つの予想として, slice-ribbon予想(1962, Fox)が知られており, 現在までの間反例は見つかっていない. その予想の有力な候補として, figure eight結び目のcableと呼ばれるクラス(とその連結和)が反例候補としては有名であった(Miyazaki, 1994).
近年involutive Heegaard Floer理論によってその筆頭となるfigure eightの(2,1)-calbeの非スライス性がDai-Kang-Mallick-Parkにより示された. 一方で, 近年いくつかのグループで発展してきた実Seiberg-Witten理論を用いて, Kang, Parkとの共同研究において 「figure eight knotの(2n, 1)-cableは滑らかなコンコーダンス群で無限位数」を示した. それにより, 既存の研究と合わせると, どんなfigure eightのnon-trivialなcableも滑らかなコンコーダンス群において無限位数であることがわかった. その証明の核をなすのは, Konno-Miyazawa-Taniguchiの実相対10/8不等式と, Castro-Miller-Park-Stipsiczの4次元多様体に埋め込まれた結び目コボルディズムの構成である. また, Fukumotoとの共同研究において非スライス性だけでなく, stabilizing numberの評価ができる場合があることも考察した. 講演ではこれらの概説を行う.
実Seiberg-Witten理論の計算手法として, 結び目コボルディズムを用いる手法は今後も主要なものの一つとなると思われる. 講演では, どういう条件を満たす結び目コボルディズムがあれば, 実Seiberg-Witten理論から得られるコンコーダンス不変量の計算ができるのかを解説し, 今後の展望を述べたい.
- 第2回 2025/6/13 (金) (online)
宮澤 仁氏(京都大学数理解析研究所) 10:00-12:30 (GMT +09:00)
[タイトル]
実Seiberg--Witten理論とサテライト結び目
[アブストラクト]
実Seiberg--Witten理論は, 3,4次元多様体に対合がある際に, 多様体上のSeiberg--Witten方程式あるいはSeiberg--Witten flowの解のうち対合の"ねじれた"持ち上げで固定される部分を用いて微分トポロジー的情報を出すものである. "ねじれた"持ち上げで固定される部分を考えることで通常のゲージ理論では取り出せない情報にアクセスできる。例を挙げると、$S^4$への${\Bbb R}P^2$の埋め込みであって連続的にアイソトピックだが滑らかにはアイソトピックでない例(エキゾチック$P^2$-knot)の検出などである。この発表では実Seiberg--Witten理論の概観とエキゾチック$P^2$-knotの検出の概略に触れた後、発表者とJungHwan Park氏、谷口正樹氏との共同研究で得られた実Seiberg--Witten理論の3次元多様体内の結び目に関する不変量についてサテライト公式と結び目理論への応用について説明する。
- 第1回 2025/6/11 (水) (online)
鈴木龍正氏(明治大学) 10:00-12:30 (GMT +09:00)
[タイトル]
4次元球面の非単連結なPriceツイストとポシェット手術への応用
[アブストラクト]
4次元多様体における$P^2$-knot $S$に対する切り貼り操作はPriceツイストと呼ばれる。4次元球面$S^4$に対するPriceツイストは微分同相の差を除いて最大で3つの4次元多様体、すなわち4次元球面$S^4$、もう一つの4次元ホモトピー球面$\Sigma_{S}(S^4)$、そして非単連結な4次元多様体$\tau_{S}(S^4)$を生成する。本講演では、樹下型の$P^2$-knot $S$に対する$\tau_{S}(S^4)$のいくつかの性質と微分同相類の分類についての結果を述べる。特に、$\tau_{S}(S^4)$の微分構造を特定するために導入したハンドル図式の簡略化と、その図式上でのハンドル計算の仕方について紹介する。また、本研究の結果に関係するポシェット手術の結果についても言及する。本講演は、磯島 司氏との共同研究に基づく。
[参考文献]
T. Isoshima and T. Suzuki, The non-simply connected Price twist for the 4-sphere, arXiv:2505.09332.
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< Keywords(今まで扱ったものを中心に)>
4-manifolds, Handle, Handle calculus, Kirby calculus, Exotic structure, Cork, Plug, Heegaard Floer homology, Seiberg-Witten invariant, Yang-Mills theory, Plane field, Contact structure,
Mapping class group, Lefschetz fibration, Fibered knot, Dehn surgery, Ribbon knots, Stein filling, Immersion, Branched cover, Mazur manifold, PALF, Curve graph, Whitehead double, Dehornoy ordering, Braid, Casson-Gordon invariant, Barking deformation, Dehn twist decomposition.shadow complexity, gleam, Upsilon invariant, Rasmussen invariant, non-proper stable map, equivariant cork, ribbon disk, Fox-Milnor theorem, trisection, 1-dimensional manifold
< 宛先 >
何か議論or話をしたい人がおられましたら、tange _at_ math.tsukuba.ac.jp まで連絡ください.
< 更新日時 >
Seminar