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2021年後期
- 第7回11/25 (木) (online)
谷口 正樹氏(RIKEN) 13:00-14:30
[タイトル]
Involutions, knots, and Floer K-theory III
[アブストラクト] この講演は, 同タイトル I, IIに続くものであるが, I, IIの内容を数学的には仮定しない.
この研究は, 今野北斗氏, 宮澤仁氏との共同研究である.
同タイトルの論文 https://arxiv.org/abs/2110.09258 の主定理を仮定した上で, 結び目とそれを境界に持つ曲面に対する10/8型不等式を証明する.
またこの結び目の10/8型不等式を用いて結び目スライス性の応用を導く.
既存のG-signatureを用いた手法, 数々のFloer理論, Rasmussen不変量らを用いた研究との比較も考察する.
また, 講演の最後には, 上記の論文で導入したknot concordance不変量の計算に関わる未解決問題をいくつか提示する.
- 第6回11/11 (木) (online)
今野 北斗氏(東京大学) 13:00-14:30
[タイトル]
Involutions, knots, and Floer K-theory II
[アブストラクト]
本講演は同タイトルの3連続講演のうちの2つ目である.
この講演では,宮澤仁氏,谷口正樹氏との共同研究である同タイトルの論文の主結果の証明の概要を説明する.
中心的な内容は,involutionの情報を込めたSeiberg-Witten Floer安定ホモトピー型とK理論的不変量の構成である.
またこれらの不変量の計算と,3次元多様体の群作用の4次元への拡張問題への応用も述べる.
- 第5回11/9 (火) (online)
宮澤 仁氏(東京大学) 13:00-14:30
[タイトル]
Involutions, knots, and Floer K-theory I
[アブストラクト]
本講演は同タイトルの3つの講演の1つめの講演である。この講演では、同タイトルの論文の主結果を紹介し、セッティングを紹介する。
今回の研究は今野北斗氏、谷口正樹氏との共同研究である。本研究では、結び目を固定点に持つような対合をもつ3次元多様体について、その対合が反線形にスピノル束に持ち上がる状況でサイバーグウィッテンフレアホモトピー型を構成し、そこから定義されるK理論的な不変量(マノレスク氏のカッパ不変量の類似である)を用いて結び目の問題と対合の4次元多様体への拡張の問題に応用を与えたものである。
本研究のゲージ理論的な設定は加藤佑矢氏の論文で閉4次元多様体に対して用いられたもので、通常の同変理論とは異なる。この講演ではまず、スピノルに反線形に持ち上がる対合の対称性を持ったサイバーグウィッテン方程式の変種を説明し、加藤氏の結果に触れる。
本研究の主定理は、我々の設定におけるマノレスク氏の境界付き10/8不等式の精密化である。
この講演では、主定理の証明の詳細は今野氏の講演に譲り、まずもとのマノレスクの境界付き10/8不等式がどのようなものか説明する。
- 第4回10/22 (金) (online)
小川 将輝氏(埼玉大学) 10:00-12:30
[タイトル]
4-manifolds with Kirby-Thompson distance 2 trisections
[アブストラクト]
有向閉4次元多様体のTrisectionはGayとKirbyによって導入された4次元多様体の分解である。Trisectionに対して、距離という概念をKirbyとThompsonが定義した。この距離を一つの4次元多様体の全てのTrisectionに対して考えることで4次元多様体に対しても距離を定義することができる。このような距離について、距離が小さい時にどのような多様体になるのかを述べる。
2021年前期
- 第3回9/29 (水) (online)
鈴木 龍正氏(東京工業大学) 10:00-12:30
[タイトル]
ポシェット手術とKirby図式を用いた4次元ホモトピー球面の構成
[アブストラクト]
円周と3次元球体の直積と2次元球面と2次元球体の直積の境界連結和をポシェットという。
2004年に岩瀬順一氏と松本幸夫氏により4次元多様体の新種の改変操作であるポシェット手術(pochette surgery)が導入された。
ポシェット手術はGluck手術の一般化になっている。
本講演では、4次元球面のKirby図式上で1,2ハンドル対と2,3ハンドル対による2種類のハンドル生成をKirby図式上で繰り返し適用した後に、
4次元球面の中にポシェットを埋め込む方法を決める写像を適切に決めた後で、
4次元球面上のポシェット手術によって4次元ホモトピー球面を複数構成する。更に、構成された4次元ホモトピー球面の一部が4次元球面に微分同相であることを、Kirby計算を用いて証明する。
- 第2回6/3 (木) (online)
谷口 正樹氏(理研) 13:00-15:30
[タイトル]
接触3次元多様体を境界に持つ4次元多様体のBauer-古田型不変量のadjunction型不等式と結び目のスライス性
[アブストラクト]
結び目のスライス問題の研究は長い歴史を持ち、現在でも活発に研究されている。この講演では、一般のS^3を境界に持つ4次元多様体内で、S^3内の結び目が埋め込まれたnull-homologous diskの境界になるための障害をcontact幾何由来の不変量を用いて与える。証明では、接触トポロジーのsymplectic cobordismを構成する技術、Bauer-古田型不変量のadjunction型不等式を用いる。
この研究は、飯田暢生氏、Anubhav Mukherjee氏との共同研究である。
- 第1回4/21 (水) (online)
佐野 岳人氏(東京大学) 10:00-12:30
[タイトル]
A Bar-Natan homotopy type
[アブストラクト]
2000年に Khovanov は Jones 多項式の圏論化として Khovanov ホモロジー $H_{Kh}$ を構成した.2014 年に Lipshitz-Sarkar は Khovanov ホモロジーの空間的実現として Khovanov ホモトピー型 $\mathcal{X}_{Kh}$ を構成した.すなわち $\mathcal{X}_{Kh}$ は空間(有限 CW スペクトラム)であって,その被約コホモロジー群が Khovanov ホモロジーを復元する.Khovanov ホモロジーには Lee ホモロジー,Bar-Natan ホモロジーなどの変種があり,Rasmussen はそこから整数値の $s$-不変量を取り出し, Milnor 予想の別証明を与えた.これらの変種に対してホモトピー型が構成できるかどうかは2020年まで未解決であった.
講演者は 2021年 の論文で,変種の一つである Bar-Natan ホモロジー $H_{BN}$ に対して,その空間的実現である Bar-Natan ホモトピー型 $\mathcal{X}_{BN}$ を構成し,その安定ホモトピー型を決定した.$\mathcal{X}_{BN}$ の構成は $\mathcal{X}_{Kh}$ と同様に Cohen-Jones-Segal が提案したフロー圏による構成法を用いる.安定ホモトピー型の決定は Lobb らによる「フロー圏における Morse 変形」の手法を用いる.今後の展望として,ホモトピー型を通して $s$-不変量の「ホモトピー的特徴づけ・精密化」を行うことを考えている.
https://arxiv.org/abs/2102.07529
ノート
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< Keywords(今まで扱ったものを中心に)>
4-manifolds, Handle, Handle calculus, Kirby calculus, Exotic structure, Cork, Plug, Heegaard Floer homology, Seiberg-Witten invariant, Yang-Mills theory, Plane field, Contact structure,
Mapping class group, Lefschetz fibration, Fibered knot, Dehn surgery, Ribbon knots, Stein filling, Immersion, Branched cover, Mazur manifold, PALF, Curve graph, Whitehead double, Dehornoy ordering, Braid, Casson-Gordon invariant, Barking deformation, Dehn twist decomposition.shadow complexity, gleam, Upsilon invariant, Rasmussen invariant, non-proper stable map, equivariant cork, ribbon disk, Fox-Milnor theorem, trisection, 1-dimensional manifold
< 宛先 >
何か議論or話をしたい人がおられましたら、tange _at_ math.tsukuba.ac.jp まで連絡ください.
< 更新日時 >
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