ハンドルセミナー'18 (since 2013)
場所:東京大学(駒場キャンパス)数理科学研究棟
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2018年後期
- 第11回 3/15(金)(118)
Mark Hughes氏 10:00--12:30
[タイトル]
Banded unlinks and unit surfaces in CP^2
[アブストラクト]
A unit surface in CP2 is an embedded surface which intersects the standard CP1 in a single transverse intersection point. By work of Melvin, these are related to the Gluck twist surgery operation on CP2. With this as motivation, we study unit surfaces via banded unlinks, showing that several classes of these knots are in fact isotopic to the standard CP1. We also propose an alternate way of viewing these surfaces as closed braids with fold singularities, and several approaches for proving that unit surfaces are standard. This is joint work with Seungwon Kim and Maggie Miller.
- 第10回 12/11(火)(123)
佐野 岳人氏 10:00--12:30
[タイトル]
ある Rasmussen 型不変量の族について
[アブストラクト]
整域 R と非負不可逆元 c によって定まる整数値の絡み目不変量 \hat{s}_c(L; R) を定義する.\hat{s}_c(L; R) は L の射影図 D から得られる古典的な量と,c によって定まる R 上の Khovanov-type homology における D の canonical class の「c-可除性」の組み合わせによって得られる.\hat{s}_c(L; R) は Rasmussen の s-不変量と類似して link concordance 不変であり,結び目の slice-genus に対する下界を与え,さらに Milnor 予想に対する別証も与える.また特定の条件下では knot concordance 群から Z への加群準同型を与える.特に (R, c) = (Q[h], h) のとき \hat{s}_c は Rasmussen 不変量 s と一致する.現時点では s と異なる不変量を与える (R, c) が存在するかどうかは分かっていない.
- 第9回 11/29 (木)(128)
増田 宙斗氏 10:00--12:30
[タイトル]
同変コルクまたは弱同変コルクが存在するような群についてII
[アブストラクト]
- 第8回 11/6 (火)(126)
増田 宙斗氏 10:00--12:30
[タイトル]
同変コルクまたは弱同変コルクが存在するような群について
[アブストラクト]
本発表では、G-コルクが存在する群G、並びに弱同変G-コルクが存在する群Gについて考える。先行研究として、同変コルクに関しては、Auckly-Kim-Melvin-RubermanによるSO(4)の有限部分群Hに対するH-コルクの構成、GompfのZ-コルクの構成、そして丹下基生氏によるZm-コルクの構成が挙げられる。
弱同変コルクに関しては、上の結果に加えて、Auckly-Kim-Melvin-Rubermanによる、任意の有限アーベル群に対する弱同変コルクの構成が挙げられる。
発表では、これらの構成を概説し、その後、発表者が得た、
以下の結果を紹介する。
(1)ZmとSO(4)の有限部分群のリース積に対する同変コルクの構成。
(2)有限巡回群を繰り返しリース積をとった群をGとするとき、ZmとGのリース積に対する弱同変コルクの構成。
特に(1)は、丹下基生氏による問題「無限位数の非可換な群Gで、G-コルクが存在するようなものはあるか」に肯定的に答える。構成は、先行研究の結果を組み合わせたものになる。
- 第7回 10/18 (木)(156)
谷口 正樹氏 10:00--12:30
[タイトル]
有理ホモロジー球面と単連結なboundingについて.
[アブストラクト]
この研究は, 佐藤光樹さん(東大)との共同研究である.
与えられた有向有理ホモロジー球面Yに対して, いかなるsymmetric bilinear
formがYを境界に持つ有向4次元多様体の交叉形式として実現されうるか, という
問題を考える. Yに対してYを境界に持つpositive definiteな(単連結)4次元多様
体のintersection formの安定同型類をT(s)(Y)と表記する. ゲージ理論や
Heegaard Floer理論からくる不変量は, T(s)(Y)に制約を与える. 例えば,
DonaldsonのTheorem Aは, “T(± S3) = {
<±1> } ”を主張する. 我々は, 与え
られたYであって, Ts(Y)とTs(-Y)がどちらも空でないものに対して, Yをホモ
ロジー同境の範囲で変形し, ホモロジー球面の列 {Y’n}であって, T(±Y’n)
は空でないが, Ts(±Y’n) は空集合であるものを構成した. 構成は, 1,2-
handleのKirby図式によって与えられる. これは, definite boundingの問題を考
えるにあたり, T(Y)とTs(Y)には大きな差があることを意味している. T(Y)とTs(Y)に違いを見出す非自明性は, Taubesのend-periodic versionのTheorem Aに
起因している. この構成の系として, ±Σ(p,q,pqk+1)のホモロジー同境類の中に
は, 無限に, knotの手術で得られないホモロジー球面が属していることが分かる.
ただし, (p,q)は互いに素な正整数とし, kは0以上の整数とする.
- 第6回 10/9 (火)(126)
丹下 基生 10:00--11:45
[タイトル]
ハンドル図式にはめ込まれたリボン円盤とハンドル移動
[アブストラクト]
ある4次元ハンドル体にはめ込まれたPerforated Ribbon円盤(PR円盤)
を考える。
ハンドル体はPR円盤を内部に含んだまま自由にハンドル移動をすることが
できる。
しかし、3ハンドルとPR円盤の特異集合が交差する場合があり、
その場合、もしハンドルのキャンセルペアが現れてもそれをキャンセルすることができなくなる。
この事実が、スライスリボン予想が解決できないでいる元凶であることを説明する。
このような状況において、どのような回避方法がありうるのかについて議論する。
2018年前期
- 第5回 7/24 (火)(470)
Moussard Delfine 13:00--15:00
[タイトル]
A Fox-Milnor theorem for knotted spheres in S⁴
[アブストラクト]
For knots in the 3-sphere, it is well-known that the Alexander polynomial of a ribbon knot factorizes as f(t)f(1/t) for some polynomial f(t). For 2-knots, i.e. embeddings of a 2-sphere in the 4-sphere, the Alexander polynomial of a ribbon 2-knot is not even symmetric in general. Via an alternative notion of ribbon 2-knots, we give a topological condition on a 2-knot for recovering the factorization of the Alexander polynomial. This is a joint work with Emmanuel Wagner.
- 第4回 6/26 (火)(426)
山田裕一氏 12:30--15:00
[タイトル]
4次元多様体の Trisection で 連結な境界がある場合
[アブストラクト]
下記の文献を紹介する.具体例の構成が幾何的で、ハンドルセミナー向きかも知れない.
[先行研究:閉多様体の場合]D.Gay-R. Kirby により、任意の(有向)連結な4次元閉多様体が trisection をもつことが示された.
(g,k)-trisection とは、種数 g の有向閉曲面を軸にした3等分(各片は 4次元 1ハンドル体
S1×B3 のk個の境界連結和)の分割のことである.
分割の境目はY字型で、軸をHeegaard 曲面として共有する3つの
#k S1×S2 の和集合である.
軸の閉曲面に大域的(3つのHeegaard分解の)データが集約されており、
4次元多様体の考察に役立つと期待される.
[今回の話:連結な境界をもつ場合]軸を境界付き(種数 g, 境界成分数 b)の曲面にする.
境界の3次元多様体には binding が b 成分 link, page の種数が p の open book 構造が入る
(各片は変更なし:S1×B3 のk個の境界連結和).
著者らは (g,k; p,b)-trisection と呼んでいる.
[参考文献]
N. A. Castro, D. T. Gay and J. P.-Caicedo, Diagrams for relative trisections,
Pacific J. Math. 294 No.2 (2018), 275--305.
- 第3回 5/15 (火)(426)
早野 健太氏 13:00-15:30
[タイトル]
固有でない可微分写像の安定性について
[アブストラクト]
本発表では多様体間の可微分写像の安定性について論じる。
一口に「安定性」と言っても、安定、強安定、無限小安定、局所安定など様々な「安定性」が考えられるが、Matherの結果から、固有な(つまりコンパクト集合の逆像がコンパクトとなる)写像については全て同値な条件であることがわかる。またMather、du Plessis-Wall、du Plessis-Vosegaardらにより、固有でない写像が強安定、無限小安定になるための条件は調べられているが、(強でも無限小でも局所でもない)安定性については、DimcaによるR上の関数に関する結果以外にはほとんど何もわかっていない。
本発表では種々の安定性の定義とそれらの間の関係を概観した後、発表者が得た、固有でない関数が安定であるための十分条件を紹介する。
- 第2回 5/8 (火)(426)
伊勢 彩夏氏 13:00-15:30
[タイトル]
Twist spun 2-knotに沿うGluck surgeryによって得られる4次元ホモトピー球面の微分同相型について
[アブストラクト]
4次元球面を2-knotに沿ってGluck surgeryすると4次元ホモトピー球面( MK )が得られることが知られている.
Gordonはtwist spun 2-knotに沿うGluck surgeryによって得られる MK がスタンダードな4次元球面と微分同相になることを示した.
MK は4次元多様体であるので,Kirby図式で表すことができる.今回はtwist spun 2-knotに沿うGluck surgeryによって得られる MK に対し,そのKirby図式からKirby計算を使ってGordonの定理の別証明を与える.
- 第1回 4/26 (木)(370)
藤田 玄氏 10:00-12:30
[タイトル]
1次元多様体の離散化に関する話題
[アブストラクト]
幾何的な対象の離散化は、数学的に興味深いことはもちろん、
数学以外の諸分野への応用の観点からも重要なテーマである。
本発表では、発表者が見聞きした1次元多様体の離散化に関する話題
およびそれらにまつわるいくつかの考えうる問題を説明する。
なお、セミナー世話人より「出来上がった話でなくても、雑談のような話でもよいです」
との承諾を得ているので、本発表には発表者のオリジナルの結果は含まれず、
提案する問題も形をなしていないかもしれないことを予め断っておく。
以下の内容を予定している。
- Riemann多様体上の離散曲線と離散曲率(鈴木真依子氏(日本女子大学大学院修了生)の結果)
- 結び目とそのエネルギーの離散化
- 離散曲線としてのグラフ
english version
< Keywords(今まで扱ったものを中心に)>
4-manifolds, Handle, Handle calculus, Kirby calculus, Exotic structure, Cork, Plug, Heegaard Floer homology, Seiberg-Witten invariant, Yang-Mills theory, Plane field, Contact structure,
Mapping class group, Lefschetz fibration, Fibered knot, Dehn surgery, Ribbon knots, Stein filling, Immersion, Branched cover, Mazur manifold, PALF, Curve graph, Whitehead double, Dehornoy ordering, Braid, Casson-Gordon invariant, Barking deformation, Dehn twist decomposition.shadow complexity, gleam, Upsilon invariant
< 宛先 >
何か議論or話をしたい人がおられましたら、tange _at_ math.tsukuba.ac.jp まで連絡ください.
< 更新日時 >
Seminar