ハンドルセミナー'16 (since 2013)
(原則的には4次元多様体に関するセミナーですが、実質的にはどんな話題でも歓迎です.)
場所:東京工業大学(大岡山キャンパス)本館
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2016年後期
- 第10回 1/24(火)(H230)
佐藤 光樹氏 10:00-12:30
[タイトル]
CP2-sliceness and Floer homologycally thin knots
[アブストラクト]
If a knot in S3 has thin knot Floer homology, we say that the knot is thin. In this work, We consider which thin knots can bound a disk in CP2 - B4, and give some obstructions to bounding such a disk. By using the obstructions, we determine which (2,q)-torus knots bound a disk in CP2 - B4. In addition, we also consider which full-twists can preserve the thinness.
- 第9回 12/13(火)(H230)
早野 健太氏 10:00-12:30
[タイトル] 高次元シンプレクティック閉多様体の写像類群による表示(勉強中の話)
[アブストラクト]
AurouxはDonaldsonによって導入された漸近正則切断の理論とGompfのシンプレクティック構造の構成法を応用し、高次元シンプレクティック閉多様体のシンプレクティック微分同相類を、(シンプレクティック)写像類群を用いて表す手法を与えた。
この表示の組み合わせ的な性質、例えば具体的にどのような情報を与えるとシンプレクティック閉多様体が得られるのか、どのような組み合わせ的な変形が対応するシンプレクティック閉多様体のシンプレクティック微分同相類を変えないのか、などを概観したい。
またこの表示に関連する問題もいくつか紹介する。
[参考文献]
D. Auroux, Symplectic maps to projective spaces and symplectic invariants, Proceedings of 7th Gokova Geometry-Topology Conference, 1--42.
- 第8回 11/1(火)(H230)
山田 裕一氏 10:00-12:30 資料
[タイトル]レンズ空間で Heegaard Floer 理論(勉強した話)
[アブストラクト]
まず Heegaard Floer 理論を概観します:旧来の3,4次元多様体論が土台にあります.特に,
有理係数ホモロジー球面を境界にもつ4次元多様体について.レンズ空間は,Hirzebruch-Jung
連分数展開で定まる4次元多様体を通して考えます.d-不変量(correction term) や Dehn surgery に関する mapping cone theorem を(一応の)目標とします.
[参考文献]
- Julian Gibbons ”Deficiency Symmetries of Surgeries in S3”, International Mathematic
s Research Notices, Vol.2015, No.22, pp.12126--12151.
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P. Ozsvath and Z. Szabo, "Knot Floer homology and integer surgeries", Algebr. Geom.
Topol. 8 (2008), no.1, 101--153.
- 第7回 10/11(火)(H230)
大場 貴裕氏 10:00-12:30
[タイトル]
Planar Lefschetz fibrations and Stein structures with distinct Ozsváth-Szabó invariants on corks
[アブストラクト]
Lisca-Matic、Plamenevskaya らの結果により、境界つき4次元多様体を与えた時、その上の spinc 構造たちが非同型であれば、それらは相異なる Ozsváth-Szabó 不変量をもつ接触構造たちを誘導することが知られている。今回のセミナーでは、コルクと Lefschetz ファイバー空間を利用し、この逆の主張が成り立たない例、すなわち、相異なる Ozsváth-Szabó 不変量をもつ接触構造たちが同じ4次元多様体上の同型な spinc 構造から誘導される例を紹介する。なおこの発表は、Çağri Karakurt 氏(Boğaziçi Univ.)と浮田卓也氏(東工大)との共同研究に基づく。
[参考文献]:
Cagri Karakurt, Takahiro Oba, Takuya Ukida, "Planar Lefschetz fibrations and Stein structures with distinct Ozsvath-Szabo invariants on corks"
arXiv: 1607.07661
2016年前期
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第6回 9/7(水)(H318)
直江 央寛氏10:00-12:30
[タイトル]
Shadow complexity 0 の非輪状4次元多様体について
[アブストラクト]
コンパクトで向き付けられた可微分4次元多様体は shadow と呼ばれる2次元の多面体によって
組み合わせ的に表示することができる.Shadow
の頂点の最小値はその4次元多様体の shadow complexity と呼ばれる.閉4次元多様体で shado
w complexity が 0
であるものは Costantino や Martelli による分類が知られているが,この講演では境界付き
の場合を考える.今回,shadow
complexity が 0 の非輪状な4次元多様体はすべて4次元球体に微分同相であることが示せたた
め,これを紹介する.
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第5回 7/28(木)(H318)
佐藤 光樹氏10:00-12:30
[タイトル]
Abe-Tagami 結び目対の2重分岐被覆のd不変量
[アブストラクト]
Abe-Tagamiは、ある結び目の組で、それらの0-framingが定める4次元多様体が微分同相で、かつ一方と他方の鏡像との連結和がリボン結び目でないようなものを与えた。この結び目対が今コンコーダントかどうかは未解決問題である。今回、Abe-Tagamiの結び目対について、それらの2重分岐被覆のd不変量がすべて一致することを示したので、その結果について紹介する。本研究は、Indiana大学のJeffrey Meier氏、筑波大学の丹下基生氏との共同研究である。
- 第4回 6/30(木)(H318)
丹下 基生10:00-12:30
[タイトル]
Upsilon の積分値
[アブストラクト]
Ozsvath-Szaboは、Knot Floer homologyを使って、ある [0,2] 上の連続な区分線形関数に値を持つknot concordance不変量(ΥK(t) Upsilon-invariant )を定義した.今回の話では、その定義とその周辺の話からはじめ、トーラス結び目の場合の ΥK(t) と ΥK(t)/t の積分値を求める.
- 第3回 5/26(木)(H318)
大森 源城10:00-12:30
[タイトル]
トレリ群のハンドル体部分群の正規生成系
[アブストラクト]
本講演では、有向曲面のトレリ群とハンドル体の写像類群の共通部分となる群の生成系に関して解説する。今回の結果は、Farbの問題集「Problems on Mapping Class Groups and Related Topics」第10章の問題2.8に対する解答を与えていると思われる。
また、この結果を用いて有向曲面のレベルd写像類群とハンドル体の写像類群の共通部分となる群の生成系に関する考察も行ったので、それに関しても紹介する。
- 第2回 4/28(木)(H318)
今野 北斗 10:00-12:30
[タイトル]
An invariant of 4-manifolds and adjunction inequalities
[アブストラクト]
adjunction不等式を破る曲面の配位を総体的に考え,Seiberg-Witten理論を用いることで,4次元多様体の新しい不変量を導入する.これは,4次元多様体(とspin c構造)から決まるあるAbel群から整数の集合への写像として定式化される.この不変量の非自明な例が,Rubermanによるある命題(の一般化)から得られる.応用として,ある条件下でのadjunction不等式を導出する.
[参考文献]:
main reference:
D. Ruberman “Positive scalar curvature, diffeomorphisms and the Seiberg-Witten invariants”
http://arxiv.org/abs/math/0105027
cf.
D. Ruberman “A polynomial invariant of diffeomorphisms of 4-manifolds”
http://arxiv.org/abs/math/9911260
D. Ruberman “An obstruction to smooth isotopy in dimension 4”
http://arxiv.org/abs/math/9807041
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第1回4/21(木)(H318)
佐藤 光樹 10:00-12:30
[タイトル]
Vk invariant of cable knots and anti-bipolar topologically slice knots
[アブストラクト] 結び目のVk不変量とは、任意の非負整数kに対してHeegaard Floer homologyの結び目フィルトレーションから定義される結び目のコンコーダンス不変量である。Ni-Wuによって、結び目Kの任意のデーン手術のcorrection termはKのVk不変量の集合から決定されることが示されている。
昨年、互いに素な整数p,q>0およびpq/2以下の非負整数kに対して、結び目Kの(p,q)ケーブルのVk不変量がKのVk不変量の集合から決定されることがWuによって示された。今回、このWuのケーブル公式を用いて、いかなる単連結なclosed definite 4-manifold Xに対しても、X-IntB4内でnull-homologous disk が張れないようなtopologically slice knotが無限個存在することを示した。これはCochran-Harvey-Hornのbipolar filtrationの観点からも意味をもつ結果になっている。本講演では、Wuのケーブル公式とこの結果について解説する。
english version
< Keywords(今まで扱ったものを中心に)>
4-manifolds, Handle, Handle calculus, Kirby calculus, Exotic structure, Cork, Plug, Heegaard Floer homology, Seiberg-Witten invariant, Yang-Mills theory, Plane field, Contact structure,
Mapping class group, Lefschetz fibration, Fibered knot, Dehn surgery, Ribbon knots, Stein filling, Immersion, Branched cover, Mazur manifold, PALF, Curve graph, Whitehead double, Dehornoy ordering, Braid, Casson-Gordon invariant, Barking deformation, Dehn twist decomposition.shadow complexity, gleam, Upsilon invariant
< 宛先 >
何か議論or話をしたい人がおられましたら、tange _at_ math.tsukuba.ac.jp まで連絡ください.
< 更新日時 >
Seminar