微分トポロジー'26
〜4次元トポロジーとゲージ理論, involution, 埋め込まれた曲面とその周辺〜
トポロジー連絡会議の支援するトポロジープロジェクトの一環として開催します。
場所:大谷大学(大谷大学本部キャンパス)(慶聞館 K101) (対面&Zoomによるハイブリッド開催)
日時:2026年 2月18日(水)-2月20日(金)
Keywords: 4-manifolds, involutive action, real Seiberg-Witten, involutive Floer homology, embedded surface
English version(作成する予定はありません)
[概要] 低次元トポロジーの研究にはもはやゲージ理論は必要不可欠である。
ゲージ理論が多くのトポロジストにおいて十分に応用されているとは言えない。
本研究集会では、低次元トポロジーへのゲージ理論の活用の仕方、逆に低次元トポロジーにおけるゲージ理論的応用の可能性などを念頭に議論を進める。
なお、純粋にゲージ理論が、低次元トポロジーへの応用を見据えたものだけではないことにも注意を添えておく。
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- ミーティング ID: 847 7221 7680
パスコード: 252525
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懇親会会場(SHAVA LIVA)
確定講演者(敬称略)
スケジュール(敬称略)
2/18(水) |
2/19(木) |
2/20(金) |
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Lunch |
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14:00--15:00 インフォーマルセミナー 佐野 岳人 |
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18:30- 懇親会 |
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タイトルとアブストラクト(PDF版)
- 2/18(水)
- 14:00 - 15:00
安部 哲哉
リボンコンコーダンスと局所変形
スライス・リボン予想は,低次元トポロジーにおける懸案の未解決問題である。
2025年,Dunfield-Gongは,19交点までの素な結び目のスライス性,リボン性を計算機を用いて組織的に調べた。
その研究の中で,いくつかの結び目に対して,T(2,3)♯T(2,-3)や41♯41の連結和を取ることによりスライス性を示した。
(その後で,個別の議論で,リボン性を示した。)
この講演では,コンコーダンスとリボンコンコーダンスの復習から始めて,
上述の手法から,直ちにリボン性がわかることを紹介する。
講演動画
- 15:20 - 16:20
飯田 暢生
P(4, -3, 5) is not squeezed I: Z2同変Seiberg-Witten Floer理論とqM不変量
Feller-Lewark-Lobbによって導入された結び目のsqueezed性は、4次元多様体[0, 1]×S3内に滑らかに埋め込まれた曲面を用いて定義される結び目の幾何的性質である。
本講演では、2 重分岐被覆に付随する Z2同変 Seiberg-Witten Floer理論を用いて定義される、谷口 正樹氏と講演者が導入した、新しい整数値結び目不変量qM について解説する。
特に、結び目Kの2 重分岐被覆がL空間ならば、qM(K)が符号数σ(K)の-1/2倍に一致することを証明する。これがP(4, -3, 5)がsqueezedでないという主結果を示すためにカギとなる性質である。
本研究の結果は、同変ゲージ理論的不変量が、結び目の幾何的性質を調べる際に有効な枠組みを与えることを示唆している。本講演は、鈴木 龍正氏との共同研究の内容に基づく。
講義動画
- 16:40 - 17:40
鈴木 龍正
P(4, -3, 5) is not squeezed II: プレッツェル結び目とqM不変量
本講演は、「P(4, -3, 5) is not squeezed I」の続きである。
Rasmussenのs不変量の先行研究における計算結果と本研究で得られたqM不変量の計算結果を比較することで、b>0かつb+1≦a≦2bを満たすプレッツェル結び目P(2b+2, -(2b+1), 2a+1)がsqueezedではないことを証明する。
特に、P(4, -3, 5)がsqueezedではないことを示すことで Lewark により提起された問いに答える。
本研究におけるqM不変量の計算の際には、Némethiのgraded root理論によるAR plumbing graphに対するHeegaard Floerホモロジーの計算を用いる。
本講演は、飯田 暢生氏との共同研究の内容に基づく。
講義動画
- 2/19(木)
- 10:00 - 11:00
安原 晃
4次元多様体内のスライス結び目と結び目の局所変形について
4次元閉多様体Mに対し,Mから4次元開球を除いたものをM0とする.
M0の境界上の結び目KがMでスライスであるとは,KがM0内で円盤を張るときをいう.
更に,Kの張る円盤が{¥Bbb Z}p係数の2次元ホモロジーの元として消えているとき,
K は M で p-スライスであるという.(ただし,{¥Bbb Z}0={¥Bbb Z}とする.)
結び目が n CP2# m (-CP2)や n (S2× S2)内でスライスであることは,
それぞれツイストや#変形と呼ばれる局所変形で特徴つけることができる.
特に,n(S2× S2)$内でp-スライスであることは,#変形の
一般化である,#p変形で特徴つけられる.
本講演では,これらの話題について紹介する.
講義動画
(講演スライドファイルのリンクはページ下部掲載)
- 11:20 - 12:20
宮澤 仁
degree不変量の計算
Seiberg-Witten理論は低次元トポロジーにおいて強力な道具である。その変種で、Z/2作用のある3,4次元多様体に対して、Z/2作用の微分トポロジー的情報を拾える実Seiberg-Witten理論がある。実SW理論から定義される不変量を用いると、RP^2のS^4へのエキゾチックな埋め込みを検出できる。この講演では、ここで用いられる、degree不変量について、非自明な例の計算に焦点をあてて説明する。
講義動画
- 14:00 - 15:00
谷口 正樹
実SW理論と結び目コンコーダンス
結び目コンコーダンス理論は, Levineの代数的コンコーダンスに始まり, Floer理論やKhovanov理論, Casson-Gordon理論の登場により非常に豊かな構造的研究が現在までの間に展開されてきた. それにもかかわらず, その全貌の解明には全く至っていない. その一つの要因は, コンコーダンスが4次元的現象を反映していることによる. 一方で, "3次元的"なコンコーダンスの構成としてリボンコンコーダンスがあり, 3, 4次元トポロジーの一つの比較の形として, スライス・リボン予想がある. その有力な反例候補であった, 8の字結び目のケーブルからは反例が得られないこと(スライスでないこと)を示す. 証明では, コンコーダンスの2^k-分岐被覆に付随する実版の10/8不等式を用いる. また, 実SW理論から得られるコンコーダンス不変量の概略も説明し, 既存の不変量との関係性・比較, 今後の可能性についても述べる. この研究は, Junghwan Park, Sungkyung Kangとの共同研究である.
講義動画
(講演スライドファイルのリンクはページ下部掲載)
- 15:20 - 16:20
今野 北斗
Equivalent exotic embeddings of RP^2 into a 4-manifold
曲 面のある4次元多様体Xへの埋め込みが二つ与えられたとする.それらがXの微分同相によって移り合うとき,これらの埋め込みは同値(equivalent)であるという.一方,二つの埋め込みが互いにエキゾチックであるとは,両者が位相的なアイソトピーでは結べるが,滑らかなアイソトピーでは結べないことと定義するのであった.4次元多様体への曲面のエキゾチックな埋め込みとしてこれまでに知られている例の多くは,(位相的にはアイソトピックな)ある二つの埋め込みが同値でないと示すことでdetectされる.すなわち,ある種の微分同相写像の非存在を示すのである.これに対し,より直接にアイソトピーの存在そのものを対象とする立場からは,「同値だがエキゾチック」な埋め込みの組が存在するかどうかを問うことができる.今回は,向き付け不可能曲面,具体的にはRP^2の埋め込みでそのようなものの初めての例を説明する.証明はDonaldsonの対角化定理の族版かつ実Seiberg-Witten理論版を用いる.これはAbhishek Mallick氏,谷口正樹氏との共同研究である.
講義動画
- 16:40 - 17:40
佐藤 光樹
曲面の具体的構成を用いたδR不変量の評価
δR不変量とは、今野-宮澤-谷口によって実Seiberg-Witten理論を用いて構成された結び目コンコーダンス不変量である。δRは曲面の二重分岐被覆と関係の深い不変量であり、結び目符号数σと似た特徴を持つが、トーラス結び目の中でもδRとσの間で値の異なる例が見つかっている。本講演では、具体的な曲面を考察することで、任意の結び目KのWhitehead
doubleと(2,1)-cableのδRの間に関係式が与えられることを紹介する。特に、この関係式の応用として、right-hand
trefoilのWhitehead doubleのδR不変量が非自明な値をとることを証明する。
講義動画
(講演スライドファイルのリンクはページ下部掲載)
- 2/20(金)
- 10:00 - 11:00
向原 樹映
同変Kirby計算によるストロングコルクの構成
Dai-Hedden-MallickはHeegaard Floer理論を用いて, 既存のコルクの多くがストロングコルクになることを明らかにした. ストロングでないコルクも存在する一方で, ストロング性が未解明のコルクも依然として残されている. 本講演では, 同変Kirby計算により, ストロング性が知られていなかった既存のコルクの系列を含む, ストロングコルクの無限族を新たに構成する. その証明には, Alfieri-Dai-Mallick-Taniguchiによって導入されたインスタントン理論の不変量を用いる. これらのストロングコルクの中には, Dai-Hedden-MallickによるHeegaard Floer理論の手法など既存の手法では検出できないものも含まれている.
講義動画
(講演スライドファイルのリンクはページ下部掲載)
- 11:20 - 12:20
安田 順平
4次元多様体の巡回分岐被覆を保つ曲面結び目の局所変形
曲面結び目に沿った4次元多様体の巡回分岐被覆は様々な幾何的な情報を含んでいる曲面結び目の不変量である。本講演では、閉4次元多様体に埋め込まれた曲面結び目の局所変形を導入し、その変形によって巡回分岐被覆空間の微分同相類が変化しないことを示す。特に曲面絡み目がリボン2次元結び目のときに、巡回分岐被覆空間を共有するような様々な族、高次元スミス予想の新たな反例を構成することができたので紹介する。
講義動画
- 14:00 - 15:00
佐野 岳人
A y-ification of Khovanov homology
本研究では Khovanov ホモロジーを「y化」して sl_2 作用 (の一部) を与えることで、同一の Khovanov ホモロジー(や HOMFLY--PT ホモロジー)を持つ結び目の組、特に Conway 結び目と Kinoshita—Terasaka 結び目が区別できることを示す。これは Gorsky と Hogancamp による HOMFLY--PT ホモロジーの「y化」 および Gorsky, Hogancamp, Mellit による HOMFLY--PT ホモロジー上の sl_2 作用に着想を得て、Bar-Natan による Khovanov ホモロジーの定式化の中で類似の構成を行ったものである。
この構成は Rasmussen による HOMFLY-PT ホモロジーから Khovanov ホモロジーへのスペクトル系列の下で整合的であることも示される。
講義動画I
講義動画II
ノート・スライド
この研究集会は
- 令和7年度学術学研究助成基金(基盤研究(C))「多様体のハンドル分解やデーン手術に関するある問題解決」(研究代表者:丹下基生、課題番号21K03216)
から支援が与えられます。
世話人:安部 哲哉(大谷大学), 丹下 基生(筑波大学)
Seminar