微分トポロジー18
今年も無事に終了いたしました。
多くの人にお集まりくださいまして大変感謝しています。
english version
場所:筑波大学東京キャンパス文京校舎(120) 東京都文京区大塚3-29-1
日時:2018年3月13日-15日
テーマ:結び目と力学系
Keywords: Knot theory, braid, dynamical system, template, modular knot and Lorenz knot)
懇親会参加等登録
確定講演者
- 安部哲哉 (立命館大学)
- 伊藤哲也(大阪大学)
- 川島夢人(東京大学)
- 金英子 (大阪大学)
- 田神慶士 (東京理科大学)
- 平山至大 (筑波大学)
- 松田能文 (青山学院大学)
- 松岡隆 (鳴門教育大学)
スケジュール(Tentative)
3/13(火) |
3/14(水) |
3/15(木) |
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10:00-11:00
伊藤 哲也 |
10:00-11:00
松田 能文 |
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11:20-12:20
川島 夢人
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11:20-12:20
田神 慶士 |
Lunch |
Lunch |
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14:20-15:20
松岡 隆(1)
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14:20-15:20
金 英子
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15:40-16:40
平山 至大
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15:40-16:40
松岡 隆(2)
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17:00-18:00
安部 哲哉
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16:40-17:40
Free Discussion
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18:00-
懇親会 |
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タイトルとアブストラクト
- 3/13(火)
- 松岡 隆(1) (14:20-15:20)
組みひも理論と力学系
アブストラクト
- 平山 至大(15:40-16:40)
A brief introduction to ergodic theory for knots and links
アブストラクト
- 安部 哲哉(17:00-18:00)
Lorenz knots and modular knots
アブストラクト
- 3/14(水)
- 伊藤 哲也 (10:00-11:00)
Quantum representation/invariant and dilatations
アブストラクト
- 川島 夢人 (11:20-12:20)
A new relationship between the dilatation of pseudo-Anosov braids and fixed point theory
アブストラクト
- 金 英子 (14:20-15:20)
Small dilatation pseudo-Anosov braids and disk twists
アブストラクト
- 松岡 隆(2)(15:40-16:40)
組みひも理論と力学系
アブストラクト
- Free Discussion(17:00-18:00)
懇親会(たかの屋茗荷谷店)
- 3/15(木)
- 松田 能文 (10:00-11:00)
トーラス結び目群の直線への作用について
アブストラクト
- 田神 慶士 (11:20-12:20)
絡み目のフラットプラミングバスケット表示と接触構造
アブストラクト
タイトル・アブストラクト
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安部哲哉
[タイトル] Lorenz knots and modular knots
[アブストラクト] 1963年、気象学者Lorenzは常微分方程式
dx/dt=10(y-x), dy/dt= 28x-y-xz, dz/dt=xy-(8/3)z
を詳細に調べ、その解軌道がカオス的な振る舞いをすること(初期値鋭敏性を持つこと)を発見した。この方程式の閉軌道をLorenz knotという。
この講演では、BirmanとWilliamsによるLorenz knotの記述方法を紹介する。
(テンプレートの理論)
その後、モジュラー群の元に対して、結び目(modular knot)が定義できることを説明し、
Ghysの定理「Lorenz knotの集合と、modular knotの集合が一致する」を紹介する。
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伊藤哲也
[タイトル] Quantum representation/invariant and dilatations
[アブストラクト] Braid群のgenericなsl_2量子表現によるBraidのdilatationの評価について説明し、その応用として
結び目の(colored) Jones 多項式を用いてその結び目を表すbraidのdilatationが下から評価できることを示す。
これは、感覚的には
『(位相的に)``複雑"な結び目を表すbraidは(力学系的にも)``複雑''である』
という直感的な主張の一つの正当化になっている。
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金英子
[タイトル] Small dilatation pseudo-Anosov braids and disk twists
[アブストラクト] Mapping tori of pseudo-Anosov braids are a source of hyperbolic fibered 3-manifolds.
We define ``positive linking" braids of pseudo-Anosov type,
and study the mapping tori from the view point of fibers and monodromies in the fibered cones.
We prove that there exists a subcone in a fibered cone of the mapping tori such that
the monodromy corresponding to each primitive fibered class in the subcone is given by a positive linking braid.
Moreover we can build such a monodromy explicitly from the original braid.
This tells us a shape of all monodromies in the subcone.
As a by-product, given a positive linking pseudo-Anosov braid,
we provide a simple construction of a sequence of pseudo-Anosov braids with small dilatation.
This is a joint work with Susumu Hirose.
-
川島夢人
[タイトル] A new relationship between the dilatation of pseudo-Anosov
braids
and fixed point theory
[アブストラクト] A relation between the dilatation of pseudo-Anosov
braids
and fixed point theory was studied by Ivanov. In this talk I reveal a
new
relationship between the above two subjects by showing a formula for the
dilatation of pseudo-Anosov braids by means of the representations of
braid
groups due to B. Jiang and H. Zheng.
- 田神慶士
[タイトル] 絡み目のフラットプラミングバスケット表示と接触構造
[アブストラクト] フラットプラミングバスケットとは,二次元円板にいくつかのフラットなアニュラス
をプラミングして得られるザイフェルト曲面である.Furihata-Hirasawa-Kobayashiにより,
三次元球面内の任意の絡み目はあるフラットプラミングバスケットの境界として実現できる
ことが示されている.一方で,フラットプラミングバスケットは自然に三次元球面の
(自明な)オープンブックに埋め込むことができる.また,Thurston-Winkelnkemperの構成
(あるいはGiroux対応)により,三次元多様体のオープンブック分解からその多様体上の
接触構造を構成することができる.このことから,フラットプラミングバスケットと接触構造
の間になんらかの関係があると予想できる.
本講演では,フラットプラミングバスケットの1次ベッチ数と,境界の絡み目の
(接触構造を由来とする不変量である)最大self-linking number との関係について得られた
結果を報告する.本研究は伊藤哲也氏(大阪大学)との共同研究である.
-
平山至大
[タイトル] A brief introduction to ergodic theory for knots and links
[アブストラクト] エルゴード性について基本的な内容を説明したのち,低次元(微分)トポロジーにおけるエルゴード理論,特にエルゴード定理,の使われ方について,そのごく一端をいくつかの論文から紹介する.
-
松田能文
[タイトル] トーラス結び目群の直線への作用について
[アブストラクト]
群の直線への作用は群上の不変順序などと関連しており多くの研究がなされている. 任意の結び目群は直線への向きを保つ同相写像としての忠実な作用を許容することが知られている. 結び目群が許容するそのような作用の力学系的性質については未知の部分が多いが, トーラス結び目群についてはその群構造の特殊性を用いて比較的研究が進んでいる. この講演ではトーラス結び目群の直線への作用についての既知の結果を紹介する. 特に, ある種の剛性を持つ作用に関する結果について紹介する.
- 松岡隆
[タイトル] 組みひも理論と力学系
[アブストラクト]
恒等写像とイソトピックな2次元同相写像の周期軌道は組ひも型により分類できる。
1980年代中頃より,組ひも理論,同相写像のNielsen-Thurston分類理論,
Nielsen不動点理論を併用することにより,写像の周期点集合の構造や位相エントロピー
など力学系的性質が研究されてきた。本講演ではこれまでの研究成果に関する総合報告を行う。
参加予定者
- 浅野知紘(東京大学)
- 安部哲哉(立命館大学)
- 植木潤(東京大学)
- 狩野隼輔(東京工業大学)
- 門上晃久(金沢大学)
- 田神慶士(東京理科大学)
- 丹下基生(筑波大学)
- 宮村旭(東京工業大学)
- 山田裕一(電通大学)
ノート類(予稿)
- 会計報告
- 収入の部
お菓子募金(5180円)
懇親会集金(58000円)
小計(A=63180円)
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- 支出の部
お菓子(6164円)
懇親会経費(56000円)
小計(B=62164円)
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A-B=1016円(来年度の会計に繰越)
集会後情報
この研究集会は
- 平成 29 年度科学研究費補助金(若手研究(B))「スライス・リボン予想の研究」(研究代表者:安部哲哉、課題番号 16K17597)
- 平成 29 年度科学研究費補助金(若手研究(B))「4次元多様体のハンドル分解とデーン手術の研究」(研究代表者:丹下基生、課題番号 17K14180)
から支援を与えました。
世話人:安部哲哉(立命館大学), 丹下基生(筑波大学)
Seminar