筑波大学微分幾何学セミナー
2019年度 講演一覧

2019年度秋学期

10月2日 (水) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟718 馬場 蔵人 氏(東京理科大学理工学部)
コンパクト対称三対と一般化された双対性
概要: 対称空間論において、重複度付き制限ルート系あるいは佐武図形はコンパクト型リーマン対称空間の局所同型類を一意に定めることが知られている。また、コンパクト型リーマン対称空間の局所同型類の全体と非コンパクト型リーマン対称空間の全体の間にある双対とよばれる一対一対応によって、コンパクト型リーマン対称空間(の局所同型類)、非コンパクト型リーマン対称空間、重複度付き制限ルート系が三位一体として捉えられると言えよう。本講演では、コンパクト型リーマン対称空間の局所同型類の一般化としてコンパクト対称三対を考え重複度付き対称三対や二重佐武図形を用いた分類について説明する。さらに、双対性の自然な拡張を導入することで上記の三位一体の関係がコンパクト対称三対、擬リーマン対称対、重複度付き対称三対の間に見いだされる。この関係は一般化された双対性とよばれ、Bergerによる擬リーマン対称対の分類の(シンプルな)別証明や対称空間上のある種の群作用に関する結果を与えることについても説明する。
10月4日 (金) 15:15~16:30 自然系学系棟 B棟718 荒木 義明 氏(日本テセレーションデザイン協会)
テセレーションから広がる数学とその周辺
概要: テセレーションは敷きつめ模様のことで、 その素朴さゆえに、自然界はもとより、数学や諸科学の対象の中に広く現れます。 本講演では、テセレーションに魅了された人々が見出した数学的な構造について、自身の例も含め紹介します。 また数学やテセレーションの魅力を広げるための、教育やアートにおける最近の活動についてもお話しする予定です。
(本セミナーは数論セミナーとの合同であり、 大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
10月9日 (水) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟625 木村 真琴 氏(茨城大学理学部)
非平坦複素空間形の実超曲面のガウス写像
概要: 複素射影空間の実超曲面に対して、複素2-平面のなす複素グラスマン多様体へのガウス写像を定義し、 特にホップ超曲面については、ガウス写像の像が四元数ケーラー構造に関して(半分次元の)全複素部分多様体となることを述べる。複素双曲空間の実超曲面についても同様の結果が成り立つことを紹介する。
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
10月15日 (火) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟718 佐々木 優 氏(筑波大学・数理物質科学研究科)
対蹠集合の連結性と等質性
概要: コンパクト対称空間において,対蹠的な2点に関してある種の連結性を導入する.この連結性を用いて,与えられたある条件を満たす対蹠集合からその対蹠集合を含むようなより大きな対蹠集合を構成する方法を発見できたので紹介する.また対蹠集合自体にも連結性を導入することで,極大対蹠集合が等質になるか否かの判定条件が一部得られたのでこれも紹介する.
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
10月25日 (金) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟625 大野 晋司 氏(日本大学文理学部)
Hermann作用の軌道の幾何学的性質
概要: コンパクトRiemann対称空間の等長変換群の対称部分群による等長的な作用をHermann作用と呼ぶ. コンパクト半単純Lie群について, 二つの対合的自己同型写像を定めることで, Hermann作用は定まる. Hermann作用はコンパクトRiemann対称空間のイソトロピー作用の一般化であり, 特に超極作用であることが知られている. Korllossの超極作用の分類から, 既約コンパクト対称空間への余等質性が2以上の超極作用はHermann作用であることがわかる. Ikawaは制限ルート系の一般化である重複度付き対称三対の概念を導入し,二つの対合が可換であ る場合に, Hermann作用の軌道が, 極小, austere, 全測地的であるための必要十分条件を重複度付き対称三対の言葉で記述した. 本公演では対合の可換性を仮定せずに, Hermann作用の軌道の部分多様体としての性質を調べる方法を紹介したい. 特に軌道の第二基本形式を計算し, 極小, austere軌道の特徴づけを与え, 軌道が弱鏡映, aridになるための十分条件を与える.
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
10月29日 (火) 15:15〜16:45 第一エリア 1E棟1E302 酒井 高司 氏(首都大学東京理学研究科)
Natural Γ-symmetric structures on R-spaces
概要: Γ対称空間の概念はk対称空間の一般化として1981年にLutzにより導入された.本講演ではGozeとRemmによるΓ対称対を用いて,R空間上に定まるΓ対称空間の構造を考える.R空間に,ある種の自然な方法により,ΓがZ_2の冪であるようなΓ対称空間の構造が入るための必要十分条件をルート系の条件として与える.これにより,自然な方法によりΓ対称空間の構造が定まるR空間を分類することができる.特にΓ=Z_2の場合は,対称R空間が得られる.
コンパクト対称空間の対蹠集合の定義はΓ対称空間に対して拡張される.我々が与えたR空間上の自然なΓ対称空間の構造に関する極大対蹠集合は,Weyl群の軌道として与えられることが示される.これは田中-田崎による対称R空間の極大対蹠集合に関する結果の拡張になる.
本研究はPeter Quast氏(Augsburg大学)との共同研究による.
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
11月11日 (月) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟718 田中 真紀子 氏(東京理科大学理工学部)
古典型コンパクト対称空間の極大対蹠集合
概要: 本講演は田崎博之氏との共同研究に基づいている。古典型コンパクト対称空間Mを古典型コンパクトLie群Gに極地として埋め込むことにより、Gの極大対蹠部分群の分類結果の行列を用いた具体的表示を用いてMの極大対蹠集合の具体的表示を決定する。さらに極大対蹠集合の元の個数を求め、それらの最大値および最大値を取る極大対蹠集合を決定する。
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
11月27日 (水) 15:15〜16:45 自然系学系棟 B棟625 伊藤 光弘 氏
調和多様体とFOURIER 変換, GAUSS 超幾何関数その2
概要: 前回の講演では非コンパクト,単連結,非正曲率の調和多様体に対し超幾何型なるタイプを設定し,その上での球Fourier 変換論について紹介した.本講演では, 超幾何型調和多様体は実際に微分幾何学的にどのような性質をもつかという点について解説したい.特に測地球面やホロ球面といった幾何的に定義される超曲面に焦点をあてて議論を展開したい.
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
12月2日 (月) 15:15〜16:45 自然系学系棟 B棟718 Marian Ioan Munteanu 氏(University "Al.I.Cuza" of Iasi)
Contact CR-submanifolds in Sasakian spheres: new examples.
Abstract: In this talk we focus on those proper contact CR-submanifolds, which are as closed as possible to totally geodesic ones in the seven dimensional spheres endowed with its canonical structure of a Sasakian space form. We give a complete classification for such a submanifold having dimension 4 and describe the techniques of the study. We present also some very recent developments concerning dimension 5 and propose further problems in this direction.
12月3日 (火) ~ 6日 (金) 第一エリア 1E棟1E505 井川 治 氏(京都工芸繊維大学)
集中講義「数学特論B (FB14161)」
タイトル: 群作用の幾何学への応用

日時
12月3日(火) 10:00-12:00 13:30-14:30
12月4日(水)から6日(金) 10:00-12:00 14:00-16:00
概要: この講義では集合と群の定義を既知とし,群が集合に作用している場合を扱う.対象となる集合はベクトル空間やそこから派生してくる空間であり,対象となる群は行列で表示される群である.群作用の軌道全体のなす空間が明示的に表示できる具体例を扱う.行列の階数や簡約化,コーシー・シュワルツの不等式もこの視点から見直す.目標はWirtinger不等式を紹介し,証明を与えることである.
 予備知識は集合,群,ベクトル空間,内積,Hermite内積などである.
12月3日 (火) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟718 井川 治 氏(京都工芸繊維大学)
Hermann作用の全測地的軌道の特徴付けとその応用
概要: Hermann作用はコンパクト対称空間への良い性質をもつ等長変換群の作用である.この作用の軌道空間上に性質の良い関数を定義し,この関数の最大値を与える点で全測地的軌道を特徴付ける.応用としてWirtinger不等式を示す.これらの双対とその応用についても考察する.
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
12月9日 (月) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟718 井ノ口 順一 氏(筑波大学・数学域)
対称R空間の部分多様体論(試論)
概要: 対称R空間の部分多様体論を展開するための試論として球面の共形変換群のもとでの部分多様体論についてブラシュケ学派による古典的な成果と可積分幾何の観点からの研究手法を解説する。
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)
1月6日 (月) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟718 中田 文憲 氏(福島大学)
1月14日 (火) 15:15~16:45 自然系学系棟 B棟718 三石 史人 氏(福岡大学)
pエネルギーのある種のミニ・マックス値とパッキング半径
概要: Grosjean (2005) は閉リーマン多様体に対し, pラプラシアンの最小正固有値の(1/p)乗が, pを無限大に飛ばしたときに, 空間の直径の逆数の2倍になる事を証明した. 講演者はこの主張の「第k版」を考えた. 「k番目の直径」に対応する量は, Grove-Markvorsen が導入した第(k+1)パッキング半径である. そして「k番目のpラプラシアンの固有値」の代替物としてある種のミニ・マックス値を考えるのだが, その定式化は講演で紹介する. また, この結論は, Ambrosio-Honda の議論をならえば, RCD空間と呼ばれる特異空間に対しても成立する事を余力があれば紹介したい.
(本セミナーは大学院科目「数学フロンティア」対象セミナーです。)

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管理: 田崎博之 
更新日:2019年12月6日