自然学類文化講演会
「ゼータの魅惑」
講師:黒川信重(くろかわ のぶしげ)
東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻 教授
日時:平成13年11月9日(金) 16時45分〜18時
場所:第一学群H棟201講義室
目的:現代数学のいたるところに関連している重要な概念であるゼ−タ関数とその応用を紹介する。
要旨:素数\ 2,3,5,7,11,13,17,19,... は無限にある。
これを証明したのは今から 2500 年も昔のピタゴラス達であり古代数学の精華
である。
しかし、素数のさらなる詳しい研究がはじまったのは、250 年ほど前にゼ−タ関数が発見されてからである。
ゼータは今や数学全体を覆うようになり、前世紀末に完成したフェルマ−予想の350 年振りの解決もゼ−タのおかげである。
ゼ−タには数学最大の未解決問題であるリ−マン予想もそびえている。
本講義では、素数が無限個あることの証明からはじめ、素数研究の歴史をたどり現代のゼ−タ関数論を述べる。
さらにゼ−タを通して 21 世紀の数学を展望する。
参考図書:(1)黒川信重『数学の夢』岩波書店
(2)梅田亨・黒川信重・若山正人・中島さち子『ゼ−タの世界』日本評論社
(3)黒山人重『数学研究法』日本評論社
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