第34回 素数の小さな間隔について 2024年8月27日 - 8月31日
テキスト:
- J. Maynard, Small gaps between primes, Ann. of Math. 181 (2015),
383--413.
- セミナーオーガナイザーによるSelberg
の篩に関するノート
セミナーオーガナイザーが準備したノートを元にSelbergの篩を勉強したのち,その多変数化を考察することで,Maynard の論文の定理1.1 (定数Cが存在し,隣の素数との差がC以下である素数が無限個あること)を証明できることを学んだ.weightの取り方や誤差項の最適化などテクニカル なことも多い 内容だが,セミナーオーガナイザーの詳細ノートのおかげで,見通しよく勉強することができた.最終日の特別講師の講演では,素数の間隔が大・中・小の場合 に分けて, 知られていること・できそうなこと・予想されていることなどが整理された.
参加者は42名とおそらく過去最高.3日間は長期館でセミナーを行い,懇親会は長期館でのパーティープランとした.台風が直撃した こともあり, 飲み物の移動など色々大変だったが,武田渉氏が事務的世話人を務めてくださったおかげで無事開催できた.
第33回 関数体の数論と正標数多重ゼータ値 2023年8月24日 - 8月28日
テキスト:
- D. Goss, “Basic structures of function field arithmetic”,
Springer-Verlag, Berlin, 1996.
- G. W. Anderson, W. D. Brownawell and M. A. Papanikolas,
“Determination of the algebraic relations among special Gamma-values in
positive characteristic”, Ann. of Math. (2) 160 (2004), no. 1, 237-313.
有理整数環 (標数0) と有限体上の1変数多項式環 (正標数) の間には様々な類似が成り立つことが知られている. 本セミナーでは,正標数の数論の基礎についてGossの3章を使って勉強したあと,正標数において, 周期の超越性や線形/代数的独立性を導くことができる強力な道具であるAnderson-Brownawell-Papnikolasによる判定法を, 原論文で勉強した.最終日には,ABP理論を用いてセミナーオーガナイザーによって得られた最近の研究結果について,特別講演があった. 終盤の先生方のご調整のおかげで,予定していた内容を終えることができた.
初めて,東京理科大学 (野田キャンパス)の講義棟とセミナーハウスを用いて実施された.東京理科大学の中村隆氏の 多大なるご協力のおかげで,懇親会も含めて無事開催することができた.参加者は29名.
第32回 モックテータ関数 2022年8月23日 - 8月27日
テキスト: Sander P. Zwegers 著, 「Mock Theta Functions」 2002, Ph.D. Thesis, Universiteit Utrecht.
モックテータ関数とは,RamanujanからHardyへの最後の手紙 (1920年)に書かれていたもので,この手紙には17個の具体例と共に 満たすべき性質や関係式が綴られていた.本セミナーでは,Zwegersの1章で,Lerch和としてのモックテータ関数を学び, 次に2章で不定値テータ関数としてのモックテータ関数を学んだ.これらを通して,"q-級数"としてではなく"モジュラー形式"としての モックテータ関数について習得できた.最終日の特別講演では,トポロジー・組み合わせ論・量子モジュラー形式と モックテータ関数との関連についての近年の研究の紹介が行われた.ほぼプログラム通りの進行であった.
当初2020年に計画していたものだったが,COVID-19により2年延期で実施された.セミナー室のインターネットが強化さ れ, ハイブリッドセミナー用のミキサー・マイクなどのセットを無料で借りられたため,初めて,ハイブリッド形式での開催ができた. 参加者は29名 (内zoomのみでの参加は8名)であった.
第31回 Waring問題 2019年8月27日 - 8月31日
テキスト: R. C. Vaughan 著 「The Hardy-Littlewood Method」, Cambridge University Press, 1997
十分大きな全ての整数を,k乗数の和で書くのに必要な最低個数をG(k)とする. 第2章でCircle Methodの基本である,major arc, minor arc,指数和の評価の仕方を学んだ後,Weyl不等式とHuaの補題を使ったG(k)の上界を学んだ. その後,第4章で,Weil boundやPoisson和公式を援用したmajor arcの取り扱いの改良を学んだ. 途中計算があまり書かれていないので,初学者には難しい本であったが,講演者たちは皆よく勉強していた. 最後に,特別講師より,最近の進展とともに,評価の心得についても解説があり,テキストの理解を深められた.
参加者は38名(!)とおそらく歴代最高.初日は中央セミナー室に変更し,残りの日程は記念館から机を一部出して,収容できる 人数を増やした.
また,2020年1月26日--28日まで東京工業大学大岡山キャンパスにて
冬の部を開催し第12章を勉強した.
smooth numberに渡る平均に対しefficient differenceを繰り返し取ってminor
arcを扱うWooleyの方法を学び,現在ほぼ最良の
G(k) ≤ k log k + k log log k + O(k)
という評価に到達した.学期末のせいか, 冬の部の参加者は12名であった. セミナーオーガナイザーによる詳
細補足ノート
第30回 カタラン問題 2018年8月24日 - 8月28日
テキスト:Yuri F. Bilu, Yann Bugeaud, Maurice Mignotte 著 「The Problem of Catalan」, Springer International Publishing, 2014
「a^x - b^y = 1 を満たす自然数の組は,(a, b, x, y) = (3, 2, 2, 3)のみである」と いうカタラン予想の,Mihailescuによる証明を 学んだ.合同式などを使った初等的議論を使う方法や,Inkeriによる円分体の性質を用いた方法を学んだのち,群環内に定義されるMihailescu イデアルと その応用を見た.最後に,a^x + b^y = c^z に関するHe-Togbeの結果とその証明について,特別講師により紹介された.
参加者は26名で盛会であった.
なお,9章 (Mihailescuイデアルのプラス部分) と11章 (証明の終わり) に関しては,2018年12月21日・22日に日本大学理工学部で開かれた延長戦 で学んだ.こちらの参加者も25名と,盛会であった.
第29回 超越数論入門 ― Siegel-ShidlovskiiのE関数論 ― 2017年8月28日 - 9月1日
テキスト:A.B.Shidlovskii 著「Transcendental Numbers」, de Gruyter Studies in Mathematics 12, Walter de Gruyter, 1989
指数関数をモデルにしてSiegelによって定義された「E関数」が,連立線形微分方程式系を満たすとき,代数的数での特殊値が代 数的独立になることについて学んだ.また,Bessel 関数やその微分への応用も見た.これらは, Lindemann-Weierstrassの定理の広大な一般化である.最後に,Chudnovsky兄弟による同時型パデ近似の方法について,及びE 関数を消すような微分作用素を用いたAndreの手法について,特別講師により紹介された.
プログラム通り順調に終わった.参加者は20名で盛会であった.
第 28 回 エルゴード理論―セメレディの定理を目指して 2016 年 8 月 24 日 - 28 日
テキスト:[F] H. Furstenberg著「Recurrence in Ergodic Theory and Combinatorial Number Theory」, Princeton Univ. Press, 1981
[EW] Manfred Einsiedler-Thomas Ward著「Ergodic Theory with a view towards Number Theory」, Springer, GTM259, 2011 の2冊特別講 師:仲田均
セミ ナーオーガナイザー: 若林功, セミナー副オーガナイザー: 金子元
セメレディの定理は,「正の密度をも つ整数の部分集合はいくらでも長い算術級数を含む」と言うもので,セメレディの定理のフルステンベルグによる証明を目指して,数論への具体的応用例をはさ みつつ,テキスト[F]で位相力学系(コンパクト位相空間上の力学系)の基礎とvan der Waerdenの定理の証明までを学び,[EW]でエルゴード理論の基礎(weak-mixingまで)を学んだ. また,特別講師 仲田均が「セメレディの定理と展望」の講演を行った.
参加者は 24 人の多数となり盛会であった.
第 27 回 数論力学系 2015 年 9 月 1 日 - 5 日
テキス ト: J. H. Silverman, 「The Arithmetic of Dynamical Systems」, GTM 241, Springer, 2010
特別講 師: 奥山裕介
セミ ナーオーガナイザー:安福悠
複素数の場合の力学系と比較しながら 非アルキメデス体の場合の力学系を学んだ.力学系の基本的な概念 (周期点とその吸引性,multiplier,Fatou・Julia集合など)を学んだ後,有理関数の良い還元について学び,その後,悪い還元の場合に 進み,非アルキメデス版 Montelの定理,周期点の閉包にJulia集合が含まれること,非アルキメデス版 遊走領域などについて学んだ. また,宍倉光広が「複素力学系から」の紹介解説を行い,川島誠が「Berkovich空間の紹介」を行い,特別講師 奥山裕介が「Berkovich射影直線上のポテンシャル論と力学系への応用」の解説を行った.
参加者は 24 人の多数となり盛会であった.
第 26 回 Schmidt の部分空間定理 2014 年 9 月 3 日 - 7 日
テキス ト: W. M. Schmidt, 「Diophantine Approximation」, LNM 785, Springer, 1980
副テキ スト 1: 若林功, 「Thue の定理」, 2006 年度整数論サマースクール Diophantine Equations 報告集, pp. 21-27
副テキ スト 2: 若林功, 「Schmidt の部分空間定理」
副テキ スト 3: Y. Bugeaud, P. Corvaja, and U. Zannier, 「An upper bound for the G.C.D. of an - 1 and bn - 1」, Math. Z. 243 (2003), 79-84
特別講 師: 平田典子
セミ ナーオーガナイザー: 金子元,若林功
部分空間定理の内容と証明,およびそ の応用例を学んだ.初めにThueの定理の証明を学び,副テキスト2に沿って部分空間定理の証明を学んだ.次に応用例として,an - 1 と bn - 1 の最大公約数の上限に関する結果を学んだ.また,金子元が「代数的数のb進展開」の解説を行い,特別講師平田典子が「ディオファントス近似と回帰数列」の 解説を行った.
参加者は 25 人の多数となり盛会であった.
第 25 回 p 進ポリログ関数と p 進 L 関数 2013 年 8 月 26 日 - 30 日
テキス ト 1: W. H. Schikhof, 「Ultrametric Calculus: An Introduction to p-adic Analysis」, Cambridge Studies in Advanced Math. 4, Cambridge Univ. Press, 1984
テキス ト 2: 坂内健一, 「p-進ポリログと p- 進 L-関数」, 数理研講究録 1256 (2002), pp. 97-130
特別講 師: 川島誠
セミ ナーオーガナイザー: 小川裕之,川島誠
Schikhofのテキストでは,非 Archimedes付値体の位相,p進体,p進解析関数とp進対数関数などの例を学んだ.坂内氏のテキストでは,p 進測度を用いてp進L関数を定義し,その特殊値と大域的に定義されるp進ポリログ関数の値との関係を学んだ.最後に特別講師川島誠が「p進積分 (Coleman積分)とその応用」の概説を行った.
参加者は 14 人.
第 24 回 p 進 L 関数 2012 年 8 月 26 日 - 30 日
テキス ト: N. Koblitz, 「p-adic Numbers, p-adic Analysis, and Zeta-Functions」, 2nd ed., GTM 58, Springer, 1984
特別講 師: 原隆
セミ ナーオーガナイザー: 中筋麻貴,宮崎直
Chap. 1 (p-adic numbers), Chap. 2 (p-adic interpolation of the Riemann zeta-function), Chap. 3 (Building up) と Chap. 4 (p-adic power series) の Sect. 2 までを読み, p-進体と p- 進解析の基礎を学んだ. その後, 特別講師原隆に p 進 L 関数の話題として岩澤理論の紹介を話して貰ったが,非常に良く準備されていて,演習問題まで付いている素晴らしい講義であった.準備に多大の時間を費やし てくれた様子で申し訳ない次第だった.
参加者は, 大学院前期課程の人が増え, 21 人となり盛会であった.
第 23 回 Witten の多重ゼータ関数 2011 年 8 月 26 日 - 30 日
テキス ト: 佐武一郎, 「リー環の話」, 日本評論社, 1987
特別講 師: 松本耕二
セミ ナーオーガナイザー: 赤塚広隆
前半では, テキストを用いてリー環 (半単純リー環, ルート, ウェイト, Weyl 群, 簡単な単純リー環, Dynkin 図形など) の勉強を行った. 後半では, 特別講師松本耕二に Witten のゼータ関数について最新の結果にまで渡って紹介して貰った.
多くの人が参加しやすいように, 例年とセミナーの形態を大きく変更. 前半部分でテーマの理解に必要な予備知識の勉強をテキストで学び, 後半部分でテーマの専門家を特別講師として招きテーマの紹介をして貰うことにした.
ただ今回の特別講師は,時間的にもセ ミナーの後半と言うほぼ半分に近い時間を掛けて講演をしてくれて,参加者にとっては非常に良かったが,講師には多大の負担を掛けてしまった.この様なこと にならないように,講師を複数にするなど何か改善すべきと思われる.また,講師が限定されるため,これまでの方式と隔年ごとにするなども考えると良い.
参加者は 19 人の多数となり盛会であった.
第 22 回 関数体の数論 2010 年 8 月 27 日 - 31 日
テキス ト: M. Rosen, 「Number Theory in Function Fields」, GTM 210, Springer, 2002
セミ ナーオーガナイザー: 塩見大輔
Chap. 1 - Chap. 5 は丁寧に, Chap. 6 - Chap. 8 は必要な部分のみを読み, 目標としていた Appendix (A proof of the function field Riemann Hypothesis) を終えることが出来た.
参加者は 11 人.
第 21 回 GL(n,R) 上の保型形式と L 函数 2009 年 8 月 31 日 - 9 月 4 日, 12 月 26 日 - 29 日
テキス ト: D. Goldfeld, 「Automorphic Forms and L-Functions for the Group GL(n,R)」, Cambridge Studies in Advanced Math. 99, Cambridge Univ. Press, 2006
セミ ナーオーガナイザー: 宮崎直 (石井卓の支援の下)
夏の部では Chap. 3 (Automorphic forms and L-functions for SL(2,Z)) の Hecke 作用素を除いた部分までを読み, 冬の部では Chap. 3 の残りと Chap. 5 (Maass forms and Whittaker functions for SL(n,Z)) ならびに Chap. 6 (Automorphic forms and L-functions for SL(3,Z)) を読んだ.
参加者は, 夏の部が 11 人, 冬の部が 10 人.
第 20 回 続・リーマンのゼータ関数 2008 年 9 月 3 日 - 7 日
テキス ト: 松本耕二, 「リーマンのゼータ関数」, 開かれた数学 1, 朝倉書店, 2005
セミ ナーオーガナイザー: 松本耕二
昨年度の続きとして, 第 8 章 (近似関数等式), 第 9 章 (平均値定理), 第 11 章 (零点密度) を読んだ. 第 10 章 (二乗平均と約数問題) は要点の説明のみが行われた.
このところ減少していた参加者が 21 人と増え, 若い人が沢山参加.
第 19 回 リーマンのゼータ関数 2007 年 8 月 3 日 - 7 日
テキス ト: 松本耕二, 「リーマンのゼータ関数」, 開かれた数学 1, 朝倉書店, 2005
テキストの著者をオーガナイザーとし て, 第 3 章 (素数定理), 第 4 章 (非零領域), 第 5 章 (明示公式と零点の個数), 第 7 章 (オーダー評価) を読んだ.
第 18 回 Eichler-Shimura 理論 2006 年 7 月 31 日 - 8 月 4 日
テキス ト: A. W. Knapp, 「Elliptic Curves」, Math. Notes 40, Princeton, 1992
楕円曲線と保型形式の理論を復習した 後, Chap. XI (Eichler-Shimura Theory) を読んで理論の概要を学んだ.
第 17 回 虚数乗法論 2005 年 7 月 30 日 - 8 月 3 日
テキス ト: A. Borel, S. Chowla, C. S. Herz, K. Iwasawa and J.-P. Serre, 「Seminar on Complex Multiplication」, LMN 21, Springer, 1966
Chap. III (Class Invariants I), Chap. IV (Class Invariants II), Chap. V (Class Fields) を読んで 虚二次体の Hilbert 類体の構成を学んだ.
最終日の昼食は八王子駅ビル 10F の香港蒸籠で飲茶バイキング.
第 16 回 Kronecker の極限公式 2004 年 8 月 28 日 - 9 月 1 日
テキス ト: C. L. Siegel, 「Advanced Analytic Number Theory」, Tata Institute of Fundamental Research, 1980
Chap. I (Kronecker's Limit Formulas) を読んだ.
大 学セミナー・ハウス のウェブページに数論セミナーとして紹介された.
第 15 回 篩法と Goldbach 予想 2003 年 8 月 30 日 - 9 月 3 日
テキス ト: M. B. Nathanson, 「Additive Number Theory, The Classical Bases」, GTM 164, Springer, 1996
Chap. 7 (The Shnirel'man-Goldbach Theorem) の初めの部分, ならびに Chap. 9 (The Linear Sieve) と Chap. 10 (Chen's Theorem) を読んだ (一部は省略).
前年度までと比べて A 定食の質が劇的に向上した. 一方 B 定食はカロリー過多. なお最終日の昼食は八王子駅近くのシャンティ (インド料理) でとった.
第 14 回 Riemann ゼータ函数の零点 2002 年 7 月 31 日 - 8 月 4 日
テキス ト 1: A. Selberg, 「On the zeros of Riemann's zeta-function」, Collected Papers Vol. 1, pp. 85-141
テキス ト 2: A. Selberg, 「Contribution to the theory of the Riemann zeta-funtion」, Collected Papers Vol. 1, pp. 214-280
テキスト 1 (ほぼ全部) とテキスト 2 の Sect. 3 までを読んで, 所謂 mollifier のテクニックを学んだ.
第 13 回 続・類体論入門 2001 年 8 月 6 日 - 10 日
テキス ト: 足立恒雄・三宅克哉, 「類体論講義」, 日評数学選書, 日本評論社, 1998
第 I 部の付録 A (代数的予備知識) で群のコホモロジーを学んだ後に, 第 2 章 (前年度の残り) と 第 4 章 (イデールによる類体論) を読んだ.
第 12 回 類体論入門 2000 年 8 月 1 日 - 5 日
テキス ト: 足立恒雄・三宅克哉, 「類体論講義」, 日評数学選書, 日本評論社, 1998
第 I 部の第 2 章 (局所体の基礎理論) と 第 3 章 (イデアルによる類体論) を読んだ.
この年からセミナー・ハウスの食事に B 定食が誕生. 値段は従来の食事の倍だが, 概ね好評であった.
第 11 回 数の幾何 1999 年 8 月 1 日 - 5 日
テキス ト: C. L. Siegel, 「Lectures on the Geometry of Numbers」, Springer, 1989
Chap. I (Minkowski's Two Theorems) と Chap. II (Linear Inequalities) の一部を読んだ.
第 10 回 Roth の定理 1998 年 8 月 1 日 - 5 日
テキス ト: W. M. Schmidt, 「Diophantine Approximation」, LNM 785, Springer, 1980
Chap. V (Roth's Theorem) を読んだ.
第 9 回 Turán の方法と L 函数の零点 1997 年 8 月 1 日 - 5 日
テキス ト: H. L. Montgomery, 「Ten Lectures on the Interface between Analytic Number Theory and Harmonic Analysis」, CBMS 84, AMS, 1994
Chap. 5 (An Introduction to Turán's Method) と Chap. 9 (Zeros of L-Functions) を読んだ.
第 8 回 一様分布と指数和 1996 年 8 月 8 日 - 12 日
テキス ト: H. L. Montgomery, 「Ten Lectures on the Interface between Analytic Number Theory and Harmonic Analysis」, CBMS 84, AMS, 1994
Chap. 1 (Uniform Distribution), Chap. 2 (van der Corput Sets) の前半, ならびに Chap. 3 (Exponential Sums I: The Methods of Weyl and van der Corput) を読んだ.
第 7 回 Selberg ゼータ函数 1995 年 8 月 1 日 - 5 日
テキス ト: D. A. Hejhal, 「The Selberg Trace Formula for PSL(2,R), Vol. 1」, LNM 548, Springer, 1976
Chap. 2 (The Selberg Zeta Function) の前半を読んだ.
当初の予定では懲りずに Hejhal の電話帳の続きを読む筈であったが, 賢明にも軌道修正.
第 6 回 Selberg 跡公式 1994 年 8 月 8 日 - 12 日
テキス ト 1: D. A. Hejhal, 「The Selberg Trace Formula for PSL(2,R), Vol. 1」, LNM 548, Springer, 1976
テキス ト 2: D. A. Hejhal, 「The Selberg Trace Formula for PSL(2,R), Vol. 2」, LNM 1001, Springer, 1983
Chap. 1 (The Trace Formula for Compact Riemann Surfaces) と Chap. 6 (Development of the Trace Formula (Version A)) の初めの部分を読んだ.
当初の計画は Chap. 6 だけを読むという無謀なものであった.
第 5 回 量指標をもつゼータ函数 1993 年 8 月 1 日 - 5 日
テキス ト: J. T. Tate, 「Fourier analysis in number fields and Hecke's zeta-functions, in Algebraic Number Theory」, (J. W. S. Cassels and A. Fröhlich eds.), Academic Press, 1967, pp. 305-347
読んだのは Tate の学位論文.
第 4 回 楕円曲線の Hasse-Weil L 函数 1992 年 8 月 1 日 - 5 日
テキス ト: N. Koblitz, 「Introduction to Elliptic Curves and Modular Forms」, GTM 97, Springer, 1993
Chap. II (The Hasse-Weil L-Function of an Elliptic Curve) を読んだ.
第 3 回 モジュラ─形式 1991 年 7 月 29 日 - 8 月 3 日, 12 月 26 日 - 28 日
テキス ト: N. Koblitz, 「Introduction to Elliptic Curves and Modular Forms」, GTM 97, Springer, 1993
Chap. III (Modular Forms) を読んだ.
夏の部は昨冬に続いて明治学院大の横 浜校舎で行われ, 北鎌倉と中華街への遠足も催された. また, 冬の部では遠来荘で餅つきが行われた.
夏と冬で合計 9 日間という長いセミナーであった.
第 2 回 Abelian Variety 入門 1990 年 7 月 30 日 - 8 月 3 日, 12 月 26 日 - 27 日
テキス ト: 清水英男, 「保型関数 II」, 岩波講座基礎数学, 岩波書店, 1977
第 5 章 (多変数複素関数の予備知識), 第 6 章 (Abel 関数) ならびに第 7 章 (Abel 多様体の族と数論的不連続群) を読んだ.
冬の部は明治学院大の横浜校舎で行わ れた.
第 1 回 楕円曲線上の超越数論 1989 年 8 月 5 日 - 9 日
テキス ト: D. Bertrand, 「Hauteurs et isogénies」, preprint (後に Astérisque 183 (1990), 107-125 に掲載)
テキストは D. W. Masser と G. Wustholtz のプレプリント (後に Invent. Math. 100 (1990), 1-24 に掲載) の解説. テキストを読むために必要な事柄の解説や 関連する話題に関する講演も行われた. テキストの解説以外の講演のタイトルは次の通り:
Elliptic Curves, Isogenies
Reduction of Elliptic Curves
超越数論における Baker Method
Heegner Points and Derivations of L-Series --- Gross-Zagier の仕事の紹介
類数問題と Goldfeld-Gross-Zagier の仕事
Height について
On Transcendence Theory on Function Fields
(この記録は第1回(1989年)から第26 回(2014年)まで佐藤篤が,第27・28回は若林功が,第29〜34回は安福悠が作成した.文責:佐藤篤,若林功,安福悠)